【特集】若者に広がる“市販薬のオーバードーズ” 県内の実態に迫る
2026/10/30 13:55今、若者の間で市販薬の濫用が広がっています
なぜ手を伸ばしてしまうのか、専門家への取材と街頭調査から県内の実態に迫ります。
「OD=オーバードーズ。どれだけ知られているのか、町の人に聞いていきます」
【郡山市(10代)】
「同級生の友達がやって、救急車で運ばれたんですけど」
「女の子」
Q.何歳の時
「15、16歳ですね」
「頭痛薬みたいなのを1箱買って、それを全部飲んだみたい」
Q.1回で1箱全部飲んだのか
「多分」
友人の様子の変化から、オーバードーズに気づいたという女性も。
【郡山市(10代)】
「『どうしたの?』って聞いたら『薬、ODしたんだよね』みたいな」
「(ODした友人は)いつも元気なんですけど、(その日は)いつもよりも様子がひどい?なんか荒れてる姿がいつもと違うっていうのを感じて聞きました」
この日の街頭調査では、10代から40代の男女合わせて24人にインタビューを実施。
そのうち、13人が「オーバードーズを知っている」と答え、4人が「オーバードーズをした人が身近にいた」と答えました。
違法薬物や酒類と比べ、身近な店で購入できる市販薬。
なぜ過剰摂取に手を出してしまうのか。
オーバードーズをした人や、その周囲の人たちなどの相談にのる専門家は。
【福島県精神保健福祉センター・前田正治所長】
「(市販薬をODすると)少し気持ちがまひしたり、幸福感とかモヤーンとした感じになったりとか。つらい気持ちを一時的に忘れさせてくれるという作用があるんですね。それを求めてODをしていきます」
オーバードーズの背景には、一人ひとりが抱える「生きづらさ」があると指摘します。
【福島県精神保健福祉センター・前田正治所長】
「例えば、犯罪被害であるとか、家族の中でも虐待ということですね。まあそういうことじゃなくても、経済的な問題とか、家族・両親の不和とかですね。いろいろなことが原因になります」
オーバードーズによって、命が奪われるケースも。
【郡山市(40代)】
「(友人が)最終的には、オーバードーズで意識不明っていうところまでいっちゃったりとか」
Q.その後、回復は
「そのまんま亡くなっちゃいました」
「(亡くなった友人は)当時20代半ばとかですね」
Q.亡くなったことを知ったとき、どう思ったか
「もちろん悲しいもあったんですけど、悩んでいたことに気づけなかったので。そこに食らっちゃったというか」
身近な市販薬でも、過剰に摂取すれば重大な健康被害につながり、命を落とす危険があります。
【福島県精神保健福祉センター・前田正治所長】
「(市販薬には麻薬に)類似した薬が入っているんだっていう認識を持っておくことなんですよね。(市販薬は)合法の薬なんですけど、だから安心だというわけじゃない」
「薬物は耐性がありますので、だんだん効きにくくなってきますので、だんだん量が増えてくる。50錠、100錠も飲んでいくということが起こっていきますよね。飲むとまひが起こってくるので、自分が今どれくらいの量を飲んでいるのかという感覚がなくなってくる」
「体の不調を治す」というイメージから、手に取ることへの抵抗感が薄れやすい面もある市販薬。
過剰摂取を防ぐため、2026年5月から新たな販売制度が始まりました。
【藤原果林アナウンサー】
「こちらが医薬品専用のレジです。そのすぐそばにあるのが売り場です。目立つ文字で使用目的確認中と書いてあります」
咳止め薬・かぜ薬・鼻炎薬・鎮静薬などの一部は、乱用される恐れがあるとして、国が「指定濫用防止医薬品」に指定し、購入する際には、販売員による確認が必要となります。
【ハシドラッグ信陵店・岸波隆一さん】
「一番は『他店で同じものを購入していませんでしょうか』。重複してしまうと副作用の恐れが出てしまいますので、ここが一番重要なところですね」
「あともう一つは、18歳未満のお客様ですね」
Q.18歳未満の利用客への対応は
「お客様に年齢確認させていただきます。それで18歳未満の場合は、数に制限、あとは日数に制限があることを伝えて、あとは書面を書いていただいて販売になります」
ほかにも
・他の薬と併用していないか
・長期間使い続けていないか など、合わせて6つの項目を確認します。
【ハシドラッグ信陵店・岸波隆一さん】
「販売員として売り場に立っている以上、お客様の健康が大事です。なので健康を害するような、また間違った認識でお買い求めて服用されることのないように、あくまでもお客様の手助けになれればと」
私たちの身近なところに忍び寄る『市販薬のオーバードーズ』。
正しい使い方を理解するとともに、一人一人が抱える苦しさに目を向け、必要な支援につなげることが求められています。
市販薬の過剰摂取は大変危険です。
福島県精神保健福祉センター・前田正治所長によりますと、市販薬は過剰摂取すると、場合によっては死につながる危険があるとのことです。
県内では、県精神保健福祉センターでオーバードーズに関する相談などを受け付けています。
自分だけで抱え込まず、まずは頼れる人に相談する一歩が大切です。
関連記事

免許を再交付する人も 広がる不正アクセスの余波 所持するカードの整理も対策に

【特集】夏のモバイルバッテリーに潜む「発火」の危険!事故を防ぐには?専門家が語る「購入時」と「使用時」の注意点

笹正宗酒造 火の手を免れた奇跡の酒が販売

止まらない値上げラッシュ 物価高直撃の家計に優しい食材は?








