2026-03-01 23:30:35 配信

「1分で司令官40人殺害」イスラエル軍“ハメネイ師殺害作戦”の全貌明らかに

アメリカとイスラエルの攻撃によって、イランの最高指導者、ハメネイ師が死亡しました。「中東全域と全世界に、平和をもたらすために攻撃を続ける」というトランプ大統領。これに対し、先ほどイランのペゼシュキアン大統領は、報復に「全力を尽くす」とする声明を発表。近隣国のアメリカ軍基地やイスラエルに攻撃を続けており、戦火は中東全域に広がっています。

■「政権司令部を破壊」映像公開

日本時間午後6時すぎ、イスラエル国防軍がSNSに投稿した映像です。場所はイランの首都テヘラン中心部。
イスラエル軍の報道官はSNSで「イランのテロ政権の司令部を破壊した」と伝えています。また、最初の攻撃開始後1分で、イラン軍の参謀総長ら司令官約40人を殺害したと発表しました。
日本時間の午前7時前。
(CNN)「緊急速報を続けます。たった今、トランプ大統領がイランの最高指導者ハメネイ師が、アメリカとイスラエルの合同軍事作戦で死亡したと発表しました」

■ハメネイ師殺害 米CIAが特定

イランの国営放送も日本時間の午前10時半ごろ、イランの最高指導者ハメネイ師が死亡したと伝えました。娘や孫も死亡したということです。
(イラン国営放送)「信仰が厚く永続的で疲れを知らない方、不屈の統治の山における崇高で神聖な魂、やさしい父親、イスラム教徒の指導者、尊敬すべきハメネイ師が栄光かつ聖なるイラン・イスラム共和国の道において殉教し安らかに神の御許へと旅立たれました」
イスラエルとの合同作戦の様子をフロリダの邸宅「マーア・ラゴ」で見守ったというトランプ大統領。自身のSNSで「歴史上もっとも邪悪な人物の1人であるハメネイ師が死亡した」と投稿しました。
空爆を受けたハメネイ師の邸宅とされる衛星写真です。イスラエルメディアはハメネイ師の拠点にはミサイル30発が着弾したと伝えています。
最高指導者ハメネイ師の殺害作戦はどう準備され、どう実行されたのか?
(トランプ大統領のSNS)「彼は我々の情報や非常に高度な追跡システムを避けられなかった」
アメリカのニュースサイト「アクシオス」は、ハメネイ師は28日の朝、自身の邸宅の地上階で側近ら数人と会議をしていた時に攻撃を受けたと伝えています。
ニューヨーク・タイムズによると、この朝の会議の情報をもたらしたのは、アメリカのCIA。数カ月前からハメネイ師の動向を探り、ハメネイ師本人が参加することを突き止めたと言います。当初は夜間に攻撃を行う予定でしたが、朝の攻撃に作戦は変更されました。
今回のアメリカとイスラエルによる一連の攻撃では、革命防衛隊トップのパクプール司令官や、イラン軍のムサビ参謀総長、ハメネイ師の顧問シャムハニ氏ら、多くの高官が死亡したとイランの国営メディアは報じています。

■「アメリカに死を」イラン国民怒り

イラン南部の町ではハメネイ師の死亡が報じられると、人々が広場に集まり始めました。そして…
「夢を見ているのだろうか!!こんにちは!新世界!!」
歓喜の声とともに最高指導者の姿をかたどった記念碑を倒しました。
その一方で、首都テヘランでは…
「イスラエルに死を!アメリカに死を!」
「私たちの指導者が殺されたわ。私たちの指導者が」
「私たちは最後まで戦い続ける」
ここでは、多くの市民がアメリカやイスラエルに対する憎悪を募らせていました。
「我々はこれまで以上に強く立ち向かう、偽りの核協議、現代の独裁者に死を!」
イランメディアによると、革命防衛隊は日本時間のきょう1日午前「イランの歴史上、最も激しい攻勢がまもなく始まる」と声明を発表。
これに対し、トランプ大統領は日本時間の午後2時すぎ…
(トランプ大統領のSNS)「イランは本日、これまでにないほど強力な攻撃を行うと表明した。しかし、そんなことは絶対にすべきではない。もし実行すれば、我々はこれまでに見たこともない規模の力で反撃することになる」
なぜ、これほど事態はエスカレートしたのでしょうか?

■イラン小学校も被害 子どもら148人死亡

事態が動いたのは、日本時間の28日午後3時半…
(CNN)「大きな速報がCNNに入ってきました。イスラエルがいわゆる先制攻撃をイランに仕掛けました」
イランの首都テヘランの上空に、立ちのぼる白煙…
イランの国営メディアは「首都テヘランで3回の爆発があった」と伝えました。
ニューヨーク・タイムズによるとイランへの攻撃は現地時間の午前8時10分に開始されました。イスラエルはイランのミサイル保管施設や製造施設、発射施設を重点的に攻撃。アメリカ軍はイランの核関連施設やイラン政府などに関連する標的にも攻撃を加えたといいます。

(イスラエル ネタニヤフ首相)「今後数日間で、テロ政権のさらに数千カ所の標的を攻撃する予定だ」
イスラエルの当局者はロイター通信に「作戦は何カ月も前から計画されていた」「発射日は数週間前に決まった」と語っています。
イランメディアは国内にある31州のうち24州が攻撃され、201人が死亡、740人以上がけがをしたと報道。このうち、ホルムズ海峡に近い南部ミナブでは小学校が攻撃を受け、これまでに子どもら148人が死亡したといいます。
そして、攻撃の速報から1時間後。
(トランプ大統領)「つい先ほど、アメリカ軍はイランで大規模な戦闘作戦を開始した。イランは世界最大のテロ支援国家であり、最近は市民がデモを行う中で数万人もの自国民を街頭で殺害した。アメリカ、特に私の政権の一貫した方針は、このテロ政権が核兵器を決して持ってはならないということだ」

■イラン報復“ドバイ5つ星”も炎上

これに対しイランは…
攻撃を受けた直後に報復としてイスラエルにミサイルを発射。ミサイルが着弾した道路は陥没し、炎が上がっています。
「大丈夫ですか?」「大丈夫だ」
イランの攻撃でテルアビブでは1人が死亡。そして、一夜明けても…
(醍醐穣記者)「戦闘機の音でしょうか、あ、これはミサイルでしょうか。いま破裂しているのが確認できました」
さらに攻撃は中東各国に…
バーレーンの内務省は首都の複数の住宅ビルが被害を受けたと発表。
「オーマイガー!オーマイガー!」
バーレーン国内のアメリカ海軍基地も攻撃を受けました。
そして、攻撃はドバイにも―
観光地では5つ星ホテルで火災が発生。被害はドバイの国際空港にも。UAEの国防省は28日、イランから発射されたミサイル137発と無人機209機を迎撃したと発表しました。
イランは米軍基地を中心に各国を攻撃。中東の広範囲で緊張が高まっています。

■核協議の最中に…「イラン攻撃なぜ?」

トランプ大統領は何のために、このタイミングでイラン攻撃に踏み切ったのでしょうか?
去年6月、イスラエルが単独でイランを先制攻撃した「12日間戦争」。激しい攻撃の応酬に発展し、イラン側とイスラエル側、双方に犠牲者が出ました。
「フォルドゥ核施設の周辺で唯一みられるのは、対空防衛システムに関連すると思われる煙のみです」
この軍事衝突に加わったアメリカ軍は、地下貫通弾「バンカーバスター」を搭載したB2爆撃機などでイランにある核施設3カ所を空爆。
トランプ大統領は、施設は「完全に破壊された」と述べていました。

では、なぜ再びイランを攻撃したのか?
アメリカ政府に政策提言を行っている、有力シンクタンク・CSISの上級顧問、カンシアン氏。攻撃の前日、インタビューに応じ、イラン攻撃の理由をこう語りました。
(戦略国際問題研究所(CSIS)マーク・カンシアン上級顧問)「少なくとも20年間、共和党・民主党を問わず米国の政治家たちが『イランに核兵器を保有させてはならない』と主張してきました。もし本気なら、今こそそれを実現する時です。なぜならイランは弱体化し、核計画は既に深刻な打撃を受けており、イランがおそらく再建を試みないほどに、さらに破壊することが可能だからです」
「ハメネイに死を、ハメネイに死を」
今年1月、イラン各地で起きた大規模な反政府デモ。治安当局が鎮圧し、少なくとも3000人以上が死亡しました。
(トランプ大統領)「もしイランが過去のように人々を殺し始めたら、我々は介入する」
2月に入り、アメリカとイランの核協議が続き、仲介するオマーンはイランが「濃縮ウランの貯蔵を放棄する」意向を示したと明らかにしたばかりでした。
では今後、攻撃はいつまで続くのか?

■イラン攻撃いつまで?体制転換は

(戦略国際問題研究所(CSIS)マーク・カンシアン上級顧問)「攻撃は数日間続くと考えています。その理由は、現在の現地戦力が 1990年代の『砂漠のキツネ作戦』、4日間の攻撃と非常に似ているため、今回も同様になる可能性があります」
イラク戦争の5年前にアメリカとイギリスがイラクを攻撃した「砂漠のキツネ作戦」。4日間の攻撃で軍事施設などを破壊しました。
今回アメリカ軍はイランを挟み込むような形で2つの原子力空母を展開。集まった軍艦の数18隻は、湾岸戦争やイラク戦争時より少なく、4日間で終わった「砂漠のキツネ作戦」と同じ規模です。
一方で、違いもあります。「砂漠のキツネ作戦」では、当時のフセイン政権は攻撃後も存続しましたが、今回はすでに最高指導者ハメネイ師を殺害している点です。
ハメネイ師の死は、トランプ大統領が目指す、イランの体制転換につながるのでしょうか?

■“最高指導者”ハメネイ師とは

1979年のイラン革命で、親米の王政が倒され、ホメイニ師を最高指導者とした、イスラム教シーア派による宗教指導体制が誕生。
ホメイニ師が1989年に亡くなり、2代目の最高指導者となったのがハメネイ師でした。
(イラン最高指導者 ハメネイ師)「イラン国民は核兵器を求めているのではない。日常生活における原子力の平和利用を求めており、敵の嫉妬にもめげず、我々はそれを強く追及し、実現させる」
「アメリカに死を!」
イランには大統領もいますが、あくまで行政府の長という位置づけで、最高指導者が国家元首として立法や行政、司法まで、3権のすべてを掌握。核開発やアメリカとの外交交渉なども最終判断を担うのは最高指導者のハメネイ師で、先月1日には、軍事的圧力を強めるトランプ政権に対し、こう宣言していました。
(ハメネイ師)「攻撃や嫌がらせをしてくる者に対しては、強烈な打撃を加える」
あらゆる権力が集中していたハメネイ師の死亡で、イラン国内に混乱が生じるのは避けられないとみられます。

(トランプ大統領)「勇敢なイラン国民に告げたい。今夜、自由が手に入る直前なのだ。我々の仕事が完了したら、政府を転覆させるんだ。それはあなたたちのものになる。これは恐らく何世代かに一回のチャンスになる」
イラン国民に対して、体制の転換に向けた行動を呼びかけたトランプ大統領。
CBSテレビのインタビューで、ハメネイ師に代わる次の指導者について、具体名は明かさなかったものの、「複数の候補者がいる」と述べました。

イランの最高国家安全保障評議会のアリ・ラリジャニ氏は1日、国営メディアを通じ、臨時の指導者会議を設置したと明らかにしました。次の最高指導者が選ばれるまで権限を代行するといいます。
国連安全保障理事会の緊急会合ではアメリカとイランの大使が応酬。
(アメリカ ウォルツ国連大使)「目的はイランの政権が決して核兵器で世界を脅かすことのないようにすることだ」
(イラン イラバニ国連大使)「侵略者たちはミナブにある学校も標的とし、100人以上の子どもたちが殺された。これは単に侵略行為であるだけではなく戦争犯罪、人道に対する犯罪である」

■英仏独はイランの報復を非難

一方、イギリス、フランス、ドイツの首脳は共同声明でイランを強く非難しています。
(共同声明)「地域諸国に対するイランの攻撃を最も強い言葉で非難する。イランは無差別な軍事攻撃を控えなければならない」
イランに対して、周辺国のアメリカ軍基地などへの反撃をやめるよう迫る一方、アメリカとイスラエルによるイラン攻撃の是非には触れませんでした。
今回の軍事行動の出口戦略についてアメリカのニュースサイト「アクシオス」が28日、トランプ大統領に電話インタビューしています。
(トランプ大統領)「すべてを掌握するために長く作戦を続けることもできるし、2、3日で終わらせてイランにもし核やミサイル開発を再び始めたら、『数年のうちにまた会おう』と伝えることもできる」

3月1日『有働Times』より

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