リビア政府からの不正な資金提供を巡り、9月に禁錮5年の実刑判決を受けたフランスのサルコジ元大統領が収監されました。

　フランスのサルコジ元大統領は今月21日、自宅前に集まった支援者に見送られるなか、車に乗り込んで刑務所に向かいました。

　サルコジ元大統領は2007年の大統領選でリビアの故カダフィ大佐の独裁政権から当時の側近と共謀して選挙資金を不正に受け取ったとして、9月に禁錮5年の判決を言い渡されました。

　サルコジ元大統領は今月21日の収監直前に、SNSに「けさ収監されるのは元大統領ではなく、『無実の者』だ。私はこの司法のスキャンダル、10年以上にわたって私が背負ってきた苦難の道を今後も告発し続ける」と投稿しました。

　1958年にフランスで現在の政治体制「第五共和制」が発足して以来、大統領経験者が収監されるのは初めてです。

　サルコジ元大統領は2014年に捜査情報を入手するために、裁判官に人事の便宜を持ち掛けた贈賄事件でも去年12月に有罪判決が確定しています。