2026-03-09 13:25:46 配信

現役猟師がつくる「くまギスカン」 若手育成で持続可能な活動へ

 去年4月以降のクマ被害が過去最多となるなか、駆除されたクマの大部分が焼却か土に埋められて処分されています。そんなクマの肉を活用し、猟師の待遇改善や若い世代の育成につなげようと現役の猟師が、ある料理を開発しました。

 千葉県君津市にあるこちらの道の駅では、ジビエ料理を味わうことができます。

 店を切り盛りするのは、日頃シカを駆除している現役の猟師です。

「くまギスカン」発案 仲村篤志さん
「有害鳥獣で駆除される個体のクマの肉をできるだけ無駄なく使えるように。一般の方でも簡単に食べていただけるようにできないかなというので」

 環境省によりますと、去年、各地でクマに襲われる被害が相次ぎ2025年度には、これまでで最も多い13人が死亡しました。

 駆除されたクマの数も2006年度以降、最多のおよそ1万3400頭に上ります。

 そうしたなか、駆除されたクマの大部分が焼却か土に埋められて処分されています。

 仲村さんは、そんな駆除された個体をなんとか活用できないかと「ジンギスカン」ならぬ「くまギスカン」を開発しました。

 普段は自宅で調理する用で売られているんですけれども、今回は特別に店舗で調理して出していただきました。くまギスカンです。まったく臭みがないですね。ちょっと歯ごたえがあって、それがまたおいしいです。

 クマの駆除を巡っては、猟師の高齢化や危険度に対し、報酬が少ないことが問題となっています。

仲村さん
「70歳超えているようなハンターさんが4キロ、5キロある鉄砲を担ぎながら、積雪6メートルの中をスイスイスイスイ歩いていくんですよ。あの苦労をなんとか自分でできること、その環境には置かれていないけど関東にいながら出来ることがないのかなと思って考えている」

 猟師の苦労を知る仲村さんは、この現状を消費者に伝えることも、自分の役目であると話しています。

 そのうえで、クマ肉を積極的に購入し「くまギスカン」などにして売ることで付加価値を付け、販売まで一貫して行っています。

仲村さん
「経済効果を生み出しながら地域活性化をすることに使った方が、僕はその命に関しては有益に使われているんじゃないかと思う」

 また、千葉県大多喜町には仲村さんが運営している施設も…。

仲村さん
「猟師工房ドライブインで見ていただいたお肉が作られている施設になります」
「これがさっき見てもらったクマですね。脂がない部位もあるので、そういうのは『くまギスカン』にまわし、全体が無駄にならないように処理しています」

 現役の猟師でもある仲村さんは、ジビエに関わる人が持続可能な活動をしていくために、若手の育成にも力を入れています。

 そんな想いを受け継いでいるのが野崎安里さん。工場長を務める野崎さんは、精肉からパック作業まで1人で行っています。

仲村さん
「ここで彼女が解体作業を実際にやっています」

 野崎さんは、4年ほど前にSNSで仲村さんの取り組みを知り、自ら連絡をしたことで今に至ります。

 しかし、最初に興味を持ったきっかけは、自身が飼っている5頭のハスキーだったといいます。

工場長 野崎安里さん
「安全なおやつをあげたくて、何かないかなと思って、キョンが結構余っていると言っててジャーキーとかできるかなと思って」

 さらに野崎さんは、周りからの声が働きがいになっているといい、今後、駆除された多くの動物をもっと活用するためにも、一緒にできる人、手伝ってくれる人が増えたらいいなと話しています。

野崎さん
「今までは臭いって思っていた方、イノシシとか多いんですけど、そういう方が食べてみておいしかったって言ってくれたりとか。イベントで売ることが多いんですけど、そこで買ってくれた人がわざわざここに買いに来てくれたりしててすごくうれしいです」

仲村さん
「鳥獣との戦いなんて終わりがないんですよ。でも誰かがずっとやり続けないと増え続けるだけなんですよね。それをできるだけ抑えるために担う人たちを育てていくことをやっていければな。若い子が頑張っているから俺らも頑張ろうっていう相乗効果というかシナジーが生まれるんですよね」

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