2025-09-27 15:26:13 配信

北海道発!現役女子大生アイドル「IX-ALICE」 歌とダンスで“食育”普及

 北海道で活動する現役大学生アイドルに注目。歌やダンスでファンに伝えるのは「食育」だ。そのユニークな活動を取材した。

■全員が現役大学生の“食育アイドル”

 北海道恵庭市にある北海道文教大学。多くの管理栄養士を輩出するこの大学で、今年、食育を推進する団体として、国から最高評価となる「農林水産大臣賞」を受賞した学生たちがいる。それが、食育アイドルグループ「IX-ALICE(イザリス)」だ。

 メンバーは全員、現役の大学生。平日は学校に通いながら、週末にアイドル活動を行っている。そんな彼女たちの原動力は…。

北海道文教大学
食育アイドル「イザリス」
春陽かおりさん
「食育や食について興味のない人たちに、食育を届けるというのが私たちのやりたいこと」

北海道文教大学
食育アイドル「イザリス」
冬空けいさん
「大人、20代から30代の人にターゲットを向けて食育する。みんな健康に食事をとろうねって」

 偏食や運動不足などで高まる「生活習慣病」のリスク。食育とは、「食」に関する「知識」と「それを選ぶ力」を身に付け、健全な食生活を送ることができる人を育てる取り組みだ。

■ファンとともに行うパフォーマンスも

 そんな食育を「イザリス」はどのように広めているのか?曲の歌詞に注目すると…。

ANTHEM
適度な運動 正しい食事
健康寿命 伸ばしてピンコロ
イザリスと共に学べ 食育!
見せてやる 新しい 食育!!

 イザリスの代表曲「ANTHEM(アンセム)」。特徴的なのは、歌詞だけではない。ファンとともに行うこんなパフォーマンスもある。

 ファンと一緒にジャンプ!楽しみながら食育を学ぶ。そんな工夫が散りばめられている。

北海道文教大学
食育アイドル「イザリス」
秋月ひなたさん
「活動すればするほどファンが健康になっていく」

 実は、食育アイドル「イザリス」の活動は、大学公認のプロジェクトなのだ。

 企画したのは、人間科学部健康栄養学科の小塚美由記教授だ。

小塚教授
「専門家が『朝食は大事なので食べましょう』と言っても『はいはい』で終わってしまう。同世代がアイドルになって『元気になるためにはこうやって食べようよ』『これぐらいだったらできるんじゃない』と元気に問いかけてもらったら『あの子ができるなら、私たちもできるかも』につなげたい。アイドルに食育を普及してもらおう」

 親しみが持てる「アイドル」なら、幅広い層に「食育」を届けられるのではないか、そう考えたという。

 この思いに賛同した学生たちによって、2023年に結成されたのが「イザリス」だ。

■ライブ中…曲の合間に「食育タイム」

 そんな彼女たちが最もこだわっているというのが「食育タイム」だ。

食育タイム
「今日のテーマは未来の食卓です」
「未来の食卓って豪華になっているの?」
「実は便利すぎる生活のせいで、旬や地元野菜を意識しないと2050年の世界の食卓は危ないかもしれないんです」

 食の知識や食事で気を付けるポイントを紹介するこの時間。ライブでは曲の合間に必ず行っているという。

 「食育タイム」はSNSでも発信。日常で「食育」に触れる機会が少ない大人が、タメになるような内容を伝えている。

 「イザリス」を応援するファンたちはこう話した。

ファン歴2年 50代
「摂生しなきゃいけないですよという話なんですけど、摂生だけじゃなくて『〇〇をやったら取り返せます』とか。このラーメンちょっと塩分強そうだなとか、頼む時に気にするようになりました」
ファン歴2年 30代
「食育って大人になるとあまり触れることがない。そういう人に向けた取り組みで良いんじゃないかなと」

 ライブ前には、内容についてメンバー内で話し合い、入念なリハーサルを欠かさない。

秋月さん
「(Q.食育タイムはいくつありますか?)ライブの数」
春陽さん
「使いまわしはしていないです」
冬空さん
「158だったよね、去年は」
秋月さん
「300くらいまでいくんじゃない」

 今ではライブ以外でもひっぱりだこの彼女たち。去年は、食品ロス削減を呼び掛ける恵庭市のイメージキャラクターにも選ばれた。さらに、今年は地元のコメ農家と協力し、メンバー自らが稲を植えた「イザリス米」の販売も計画している。

 活動の幅を広げていく、食育アイドル「イザリス」。目指すのは誰もが健康な生活を送れる未来だ。

秋月さん
「健康な人こそ、意外と危ない食事をしている。病気になってからじゃないと気付けない。予防的なとこでも、食育とか食べることの必要さを伝えるのって大事。イザリスの活動を通して老若男女いろんな人たちに健康になってほしいな」

■イザリスのメンバーが描く未来図

 恵庭市に流れている漁川(いざりがわ)と大学キャンパス内にエゾリスがいることから、合わせて「イザリス」ということだ。

 食育アイドル「イザリス」のみんなが思い描く未来図は、食育アイドルとして活動するイザリスのメンバーが描かれている。活動を続けていくことで、ファンの人たちが病気になってから治療を受けるのではなく、“予防”を大切にすることを意識して実践してくれるようになる。そして将来は、子どもからお年寄りまで、幅広い世代の人たちが、年齢に関係なく一緒に元気に運動している、そんな未来にしたいということだ。

 また、右下に描かれている地球は、北海道での活動が全国各地、そして世界へと広く発信していきたいという思いが込められている。

(「ワイド!スクランブル サタデー」2025年9月27日放送分より)

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