【相馬花火大会】市民がつくる新たな花火大会

2026/8/6 10:03
XでシェアFacebookでシェアLINEでシェア

夏の夜空を彩る花火大会。家族や友人と空を見上げ、同じ時間を過ごす。地域の夏を彩る風物詩です。

しかし今、その開催を続けることが簡単ではなくなっています。

県内有数の規模を誇る釈迦堂川花火大会。今年は開催を見送りました。

【須賀川市民】
「やっぱ残念ですね。象徴的な感じ、夏の風物詩ですからね」
「これからもう一回復活して、またいろんな人がにぎわうイベントになってほしい」

市は、現在の運営体制では安全で円滑な大会運営が難しいと判断しました。背景には、物価高や人件費の上昇、警備の体制など、花火大会を取り巻く環境の変化があります。

そんな中、相馬市では今年、新たな花火大会が開かれます。『第一回相馬花火大会』です。

実行委員長を務めるのは、建具職人の山岡悠介さん。家業を継ぎ、建具やオーダーメイドの家具を作っています。

【山岡悠介さん】
「(工場からの)景色がすごい好きで、津波があったからよく『海の方に住むの怖くない?』

と聞かれるんですけど、やっぱ好きな場所なんで離れたくないというか」

生まれ育ったのも、働く場所も相馬。地元を離れることはありませんでした。

その山岡さんが今、本業の合間を縫って取り組んでいるのが、花火大会の準備です。

【山岡悠介さん】
「夜に仕事をしていかないと生活もできないので、今年は頑張るしかないかな」

生活にも影響が出るほどの忙しさ。それでも、山岡さんは花火大会を開こうとしています。

なぜ、そこまで花火大会を開きたいのか。

【山岡悠介さん】
「相馬自体、自分たちが花火大会をやらないと、花火大会そのものがない街なんですよ」

去年は、花火大会の運営を委託していた会社が撤退し、開催を断念。

【山岡悠介さん】
「自分たち市民が動かないと、こういう夏の風物詩も継続してできませんし」

山岡さんにとって花火は、夜空を彩るだけのものではありません。

【山岡悠介さん】
「いろんな人が花火を見て思いを馳せると思うんですよ。近しい人への感謝の気持ちだとか、恋人だったり友人だったり、自分自身の生きざまだったり、いろんな人がいろんなことを気持ちを込めるきっかけになると思うんですよ、花火って」

実行委員会がコンセプトに掲げたのが、「市民が主役となる花火大会」。チケットの売り上げに応じて打ち上げる花火の数が決まる仕組みで、花火を見る人たち一人ひとりが運営を支える花火大会を目指しています。

【山岡悠介さん】
「今までは誰かに上げてもらってた花火大会を見に行ってたという感覚だったと思うんですけど、自分たちで上げる、みんなで上げる花火大会を見に行こうという気持ちになってくれれば、自分たちの子どもぐらいの世代にも残せるような大会っていうのが継続してできるんじゃないかなと思っています」

市民の手でつくる花火大会。その思いに、共感する人たちも集まっています。

【小幡遥翔さん】
「自分も大学生になったんで、相馬のために何かできるならと思って、日々勉強ですけど、参加させてもらってます」
「思い出の1ページになるものなので、今の高校生たち中学生たちにもそういう思い出をつくってもらいたい」

【佐藤満梨さん】
「相馬で頑張ってる方々の皆さんの思いとかをすごく感じて、自分も一緒に盛り上げられたら一番いいかなと思って参加しました」
「皆さんメンバー全員が仕事の合間を縫って相馬の花火大会を作りたいっていうのを一生懸命みんなで力合わせてやってる」

開催まで、約1カ月。目標とする花火の数には、まだ届いていませんが、山岡さんは前を向きます。

【山岡悠介さん】
「一番は、もう意地ですね。ここまで来たら、中途半端なまま投げ出したくもないし」
「花火が相馬の希望のきっかけになる、光になるんじゃないかなと思っています」

地域が一つになれる場所を、100年先へつないでいくために。その挑戦は、まだ始まったばかりです。

最新ニュース

全国ニュース