2026-01-05 18:50:48 配信
軍事攻撃なぜ今?2つの理由 ベネズエラに“再攻撃”警告
ベネズエラへの再攻撃もあると警告したのはトランプ大統領です。なぜこのタイミングで攻撃に踏み切ったのか、2つの理由が見えてきました。新たな映像が撮影されたのはニューヨーク・マンハッタンのヘリポート。複数の連邦当局の要員らに囲まれ、少し足を引きずるようにして歩くのは、アメリカ軍に拘束されたベネズエラのマドゥロ大統領です。今から約8時間後、ニューヨーク連邦地裁に初めて出廷するとアメリカメディアは伝えています。
一方、軍事攻撃を決行したトランプ大統領は滞在先のフロリダ州からワシントンへと戻りました。
トランプ大統領
「2度目の攻撃の準備もできているが、必要ないだろう。私たちがすべてを運営し、立て直し、適切な時期が来れば選挙も行う。重要なのは金が全くない破綻した国だということだ」
機内で報道陣に対し、改めて「アメリカがベネズエラを運営する」と話しました。
マドゥロ大統領が収監されている拘置所の前では、軍事攻撃に対する抗議活動が行われました。
参加者
「トランプ大統領がやったことは違法です。恥です」
一方、ベネズエラ国外にいるベネズエラ人からは…。
ベネズエラの隣国のコロンビアには約300万人のベネズエラ人が住んでいるとみられています。ベネズエラでは独裁的なマドゥロ政権のもと、実に国民の4人に1人が移民や難民として国外に逃れているのです。
ベネズエラを出て5年 ルイスさん(28)
「とにかく物がなかったんです。食料もなくて経済がひどかった。昔のベネズエラに戻ってほしい。おじいちゃんが話していたような、仕事をすれば暮らしていける給料がもらえたベネズエラに」
ベネズエラを出て9年 アゴスティンさん(38)
「うれしい。笑って喜んだし、感動しました。それだけ圧力が長かった。自業自得です。でも勝利だとは言えません。これから長い道のりがあります」
トランプ政権は去年9月から「麻薬運搬船」だとしてベネズエラの船舶を30回以上、攻撃し、100人以上を殺害したとされています。
その一方、CNNなどによりますと、8月にはCIA(アメリカ中央情報局)の工作員らのチームがベネズエラに潜入。ドローンや内部からの情報をもとに数カ月かけ、マドゥロ大統領の行動パターンを正確に把握していったといいます。
ダン・ケイン統合参謀本部議長
「どう移動し、どこに住み、どこへ旅行し、何を食べ、何を着て、どんなペットを飼っているかまで把握した。その結果、12月初旬には条件がそろうのを待つ段階に入った」
また、ニューヨーク・タイムズはアメリカ軍がマドゥロ大統領の居住施設を再現した実物大の模型をケンタッキー州に建設し、身柄確保の訓練を繰り返したと伝えています。ただ、準備された攻撃は議会に事前通知されませんでした。
ルビオ国務長官
「2つの理由から通知できなかった。1つは情報が漏れるから。2つ目には緊急事態だったからだ」
ルビオ国務長官は緊急事態だとしましたが、なぜこのタイミングで攻撃をしたのでしょうか。
明海大学 小谷哲男教授
「1つはトランプ大統領の国内での支持率が低迷しているということ。この支持率の回復を狙って大規模な作戦を行った可能性が考えられます。もう1つは昨年の夏以来、ベネズエラに対して政治的な圧力を加えてきたわけですけれども、なかなか思った通りにマドゥロ大統領が退任をしないということで、昨年12月の時点でトランプ大統領は直接マドゥロ大統領にトルコに亡命をしないかということを持ち掛けたのですが、マドゥロ大統領がこれを拒否したということで、最終的に軍事作戦を決行するという決断がなされたというふうに考えられます」
果たして、支持率の回復にはつながるのでしょうか。
明海大学 小谷哲男教授
「1989年、当時のブッシュ大統領がパナマに侵攻しまして、やはり軍事的な指導者であったノリエガ将軍を逮捕し、アメリカ国内で訴追をしました。この時も麻薬の密輸が主な理由だったんですけれども、これによってブッシュ政権の支持率が10%上がったという事例があります。このため、トランプ大統領としては同じような効果を狙ったということが考えられます」
これからトランプ大統領はベネズエラをどうするつもりなのでしょうか。
明海大学 小谷哲男教授
「ベネズエラの主な収入源の石油。これをアメリカが管理することで今後、誰がベネズエラの指導者になろうといえども、アメリカの影響力を無視できないようにすること。トランプ政権の狙いはベネズエラの民主化ではない。あくまでベネズエラを親米の国に変えていく。他の中南米の反米左派の国々に対しても圧力を加えたい」
ベネズエラの暫定大統領にはマドゥロ政権の副大統領だったロドリゲス氏が就任しました。
ベネズエラ ロドリゲス暫定大統領
「ベネズエラは二度と奴隷にもならないし、帝国主義の植民地にもならない」
攻撃直後には強く反発していましたが、日本時間の5日午前11時ごろに発表した声明では姿勢を軟化させました。
ロドリゲス暫定大統領
「共通の発展に向け、ともに取り組むようアメリカ政府に呼び掛ける」
明海大学 小谷哲男教授
「トランプ政権はロドリゲス氏と組める見込みがなければ、恐らく作戦には踏み切っていなかったはず。すでに何らかの話し合いが両者の間で行われていてもおかしくないと思います」
マドゥロ政権と関係の近かった中国とロシアは今回の攻撃に強く反発。また、スペインのサンチェス首相はマドゥロ政権を承認していないとしながらも国際法に違反する行為だと非難しました。一方で英、独、仏は批判を避けています。
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