2026-01-06 18:52:50 配信

“冬眠しないクマ”出没相次ぐ なぜ?住宅床下や小屋に侵入

 「冬眠しないクマ」が住宅の床下などに相次いで出没しています。なぜ床下なのか、現地を取材しました。

■“冬眠しないクマ”出没相次ぐ

 住宅地の雪の上に黒い姿が。建物の目の前を走るクマ。

 先月29日の午後1時ごろ、住民が車の助手席から撮影した映像には子グマでしょうか、住宅の脇をすり抜けて雪が積もる茂みの方へ移動します。

 本格的な冬が訪れ、本来はクマが冬眠する時期です。ところが、“冬眠しないクマ”の出没が相次いでいます。

 今月6日、番組の取材班はクマが現れた福島県喜多方市へ。

 6日の最低気温はマイナス2.3℃。この集落では年末から年始にかけて住民が連日クマを目撃しています。自宅の牛小屋でクマと対峙(たいじ)したという男性は…。

自宅にクマが出没 佐藤善範さん(63)
「餌(えさ)が散らばっているが、あそこで子グマが居座っていた。こうやってじっと見ていた。12月31日の午前8時50分に見たのが最初」

 大みそかの朝、牛がいない小屋に子グマとみられる個体が居座っていたといいます。

自宅にクマが出没 佐藤善範さん
「見た感じでは体長50センチくらい」

 大みそかの2日前、12月29日には近隣住民が自宅の前にいたクマを目撃し撮影。同一の個体とみられます。

クマを撮影した住民
「まさか自分の家の前の小屋にクマがいると思わなかったので大変びっくりした」

 子グマが現れた場所にはシャッターが閉まっている小屋が。撮影した2日前の12月27日に子グマがこの小屋に侵入していたといいます。

クマを撮影した住民
「家の前の小屋を整理しようとシャッターを開けていた。その場を離れた隙に子グマが入ったと思う。(当時は)入ったと分からなかったのでシャッターを閉めた。翌日、小屋から音がした。シャッターを開けて家に避難し玄関のドアを少し開けて状況を観察していたら小さな子グマが出てきた。びっくりしてクマを追い払った後、小屋の中を確認したところ中に置いていた傷んだリンゴなどの果物を荒らされた。餌があるのだと思ってまた12月29日に来たと思われる」

 さらにこの2日後、大みそかにも近くの牛小屋に現れたクマ。

自宅にクマが出没 佐藤善範さん
「そこに一回入って追い払ったらこっちに逃げた」

 クマはしばらく牛小屋に居座った後、住居の裏側へ移動。逃げ込んだのは床下です。

自宅にクマが出没 佐藤善範さん
「ここがスペースがあいていた。ちょうど子グマが入れるくらい隙間があって」

 床下に入っていくクマを市の職員などが目撃していました。

 床下の高さは30センチから40センチほど。クマは約2時間にわたって茶の間の床下に居座りました。

自宅にクマが出没 佐藤善範さん
「警察や猟友会がどうやって追い払おうかと突いたり発煙筒をたいたりしたが効果なし。開けっ放しにしていたらそっちのほうに逃げた。吹き抜けになっているから床下はがらんとしている。ひと冬だったらいると思う。猟友会の人たちの話だと親グマが捕獲されて親がなくなって、子グマが寝ること(冬眠)を知らなくて」

 この集落では年が明けた1月2日にもクマが目撃されています。設置した箱わなに4日、体長70センチのメスのクマが掛かり、駆除されました。市は同一の個体とみています。

■なぜ?住宅床下や小屋に侵入

 なぜクマは住宅の床下に入り込むのでしょうか。

石川県立大学 大井徹特任教授
「クマが寒さをしのぐため、越冬のために居心地の良い場所を求めて床下や人気のない小屋の中に潜り込んでいると考えられる」

 山に生息するクマは本来、木の隙間などで冬眠をしています。ただ、この冬は住宅の床下で冬眠するクマが現れることを専門家は懸念しています。

石川県立大学 大井徹特任教授
「温度が安定していて静かで安全な場所にクマは冬眠する。それが山の中だと木の洞穴、土穴、岩穴になる。人里周辺での生活に慣れて大胆になっているクマにとって、床下が安全で快適な場所に見える。手っ取り早く冬眠に入れる場所に見えることもあると考えられる。近くに人が来て騒音などを出してクマが目覚めてしまうと冬眠期間が短くなる可能性がある。被害が発生する可能性のある期間が長くなるということで注意が必要」

 冬から春にかけてもクマが出没する恐れがあり、注意を呼び掛けています。

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