2025-11-28 19:29:01 配信
駅トイレにクマ 関東で続々出没 異常事態“過去最多ペース”
関東でもクマの目撃が相次いでいます。28日も群馬県沼田市の駅のトイレで男性がクマに襲われました。この時期になってもクマの出没が後を絶ちません。今年のクマは要注意です。■駅トイレにクマ 関東で続々出没
時刻は午前1時すぎ。市街地の道路に現れたのは、親子とみられる2頭のクマです。母グマが道路脇の斜面を登ると、子グマがその後を追っていきます。
群馬県みなかみ町で新聞配達をしていた人が遭遇しました。
群馬県内では28日、多くの通勤客や学生などが利用する市街地の駅前でクマによる被害が出ました。
クマが出没したのはJR沼田駅にある公衆トイレです。警備員の69歳の男性が公衆トイレを利用した後、出入り口でクマに襲われ、けがをしました。
午前1時20分ごろ、男性は巡回中に公衆トイレへ。外に出ようとしたところ突然、目の前にクマが現れます。
クマは体長1メートルから1.5メートルほどの成獣とみられ、建物の中をのぞいていたといいます。
男性は驚いて尻もちをつきます。クマが襲ってきたため抵抗した際に、右足を引っかかれました。
男性が大声を出すと、クマはその場から立ち去ります。その後、自ら交番に駆け込み被害を訴えたということです。
クマの行方は分かっていません。
通勤時間帯に大きな盾を持った警察官が巡回しています。
駅前で人がクマに襲われる異常な事態。クマ鈴を鳴らしながら駅前を歩く人もいます。
駅の利用者
「いっぱい。この辺も(クマが)出ているみたいでびっくりする。スーパーでも出た」
JR沼田駅から2.5キロ離れたスーパーでも先月、クマが出没しています。
体長1.4メートルほどのクマが店内に侵入。客の男性がクマに両腕を引っかかれ、病院に搬送されました。駐車場でも警備員がけがをしました。
群馬県では今年、クマによる人への被害が過去最多の10件に及んでいます。
自宅でクマに襲われた人
「私が玄関のドアを開けたらガサガサと変な音がして、振り向いたらクマが突進してきた。クマが覆いかぶさってきて、尻をかじって、手を引っかいて」
■「類を見ない」今年は危険?
冬眠の時期に差し掛かっても、クマの出没が絶えません。
宮城県では今月、雪が積もるなか、箱わなにクマが掛かりました。自治体や猟友会は日々、対応に追われています。
北海道札幌市の市街地ではクマの出没が相次いでいます。
札幌市は先月、住宅街の公園に現れたヒグマ2頭を緊急銃猟で駆除しました。
近年、市街地にやってくるヒグマが増えているなか、今年は異常事態が起きています。
札幌市 環境共生担当 坂田一人課長
「今年は9月以降の出没がこれまでに類を見ないほど、異常な出没があった。例年、多い時でも200件くらい。今年は11月時点で350件超」
クマの目撃情報を受けて現地を調査する市の職員を取材しました。
札幌市 熊対策調整担当 藤田将係長
「クマスプレー。ヒグマがいたとみられる場所に行って調査。自分の身は自分で守るということで、携帯して調査」
住宅街の河川敷で前日の夜にヒグマの目撃情報があったため、痕跡を探します。
河川敷の道路でシカの足跡を発見。その後も周辺を調査したものの、ヒグマの痕跡は見つかりませんでした。
札幌市 熊対策調整担当 藤田将係長
「シカの痕跡であることは間違いないが、クマがいなかった証明にはならない。100%否定できるものではない。目撃情報があったということで、周りに住む人は引き続き注意してほしい」
■“冬眠しないクマ”増加で危険?
北海道の旭川市旭山動物園で飼育されているクマの生態を取材すると、今年、市街地に相次いで出没している野生のクマの危険性が見えてきました。
旭川市旭山動物園 坂東元統括園長
「基本、食べ物がずっと継続して安定してあれば寝ない。冬眠はしない」
動物園では冬でも餌(えさ)を与え続けるため、クマは冬眠しないといいます。
野生のクマについても、人里で食べ物を探す個体は冬眠しない恐れがあると警鐘を鳴らします。
旭川市旭山動物園 坂東元統括園長
「食べ物とひも付くのが一番怖い。人間の存在と食べ物がひも付いてしまうと、人がいるところには食べ物があると。安定してそこに行けば食べ物があるという場所が確保できてしまうと、冬眠モードに入っていかない可能性はあると思う」
クマの出没に引き続き注意するよう呼び掛けています。
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