2025-10-31 20:03:24 配信

クマが会社建物に立てこもり 住宅街の木に登り居座りも

 街路樹のイチョウの木を上っているのは1頭のクマです。31日も市街地でクマの出没が相次いでいます。

■クマが会社建物に立てこもり

 市街地の道路を警察が封鎖。緊迫の事態です。

 31日午後2時ごろの仙台市泉区。街路樹のイチョウの木の上にクマが居座っています。

 現場は緑に囲まれた住宅地の北側を走る市道。職員たちがイチョウの木を見上げて様子をうかがっています。

 取材のカメラがクマの姿を捉えました。葉の間からクマの体が確認できます。足の爪を使い、木を下りていきます。スルスルと移動した後、途中で止まります。

 木の下では麻酔銃を持った職員が準備をしています。

 その時、クマが枝から落ちそうになりますが、クマは再び枝を上り、木の上で下の様子をうかがっているようにも見えます。

 クマがいるのは建物の2階ほどの高さでしょうか。

 クマの目撃があったのは午前9時ごろで、すでに5時間ほど木に居座っています。膠着(こうちゃく)状態が続くなか、動きが…。

 クマは枝から落ちて地面の寸前で一度ぶら下がったものの、そのまま落下します。よく見ると、足の辺りに麻酔銃が命中しているのが分かります。

 周りにいる職員は写真を撮るなどし、しばらく様子をみています。

 クマが落下してから3分後。5時間ほどイチョウの木に居座ったクマは捕獲されました。

 近隣住民からは安堵(あんど)と不安の声が…。

近隣住民
「先日、学校の間の緑道に(クマが)出たということもあって心配はしていた。そのクマなのかは分からないが、捕まってホッとしている」
「怖いね。クマの爪はものすごいから、あれでガリッとやられたら終わり。クマって言われているから怖くて(外に)出られない」

 31日、新潟県の市街地でもクマが目撃されています。

 住宅の庭を歩いているのは子グマです。

 午前10時すぎ、新潟県阿賀野市にある建設会社の建物内に体長約50センチのクマが侵入。クマは倉庫の中に居座りました。

渡辺建設 渡辺政利社長
「最初に(クマを)見た時は前の家の庭で散歩をしていた。上から見ていて『クマだクマだ』と言っていたら畑の方に移動。畑の方から真っすぐシャッターが開いていた。シャッターを突き抜けて今の状態に…」

 建物は1階と2階が倉庫でつながっていて、3階が事務所になっています。3階には社員5人がいたものの外に避難したため、けが人はいません。

猟友会
「まだいた?」

 猟友会や市の職員、警察が警戒にあたります。

 クマを捕獲するための箱わなが運ばれます。

 猟友会のメンバーがクマが居座る建物の中へ。しばらくして、中から出てきます。クマを確認したようです。

猟友会
「(Q.クマはいた?)いた」
「(Q.どんな状態?)隅っこの方に(いる)、角に登って」
「(Q.今は動いていない?)今は動いていない。静かにしている」
「(Q.大きさは?)これくらい」

 猟友会が麻酔銃を準備します。

猟友会
「撃てる状況なら撃つ」

 現場に緊張が走ります。

 自治体の判断で駆除ができる「緊急銃猟」が行われます。

 午後3時15分、倉庫に突入。その5分後、子グマを確保。麻酔銃2発が撃たれました。

 阿賀野市の担当者は…。

阿賀野市の担当者
「奥にいたクマを撃った。棚の上から撃ち手が奥にいたクマを撃った」
「(Q.1発でクマはおとなしくなった?)しばらく(麻酔が)効かず、もう一度はしごから撃った」
「(通常)屋内での麻酔銃使用は認められない。(今回は)緊急銃猟で麻酔銃を使用した」

 市は引き続き、クマの大きさにかかわらず注意喚起を行っていくとしています。

 31日、自民党はクマ被害に対応するために緊急対策チームを立ち上げ、初会合を開きました。

自民党 小林鷹之政調会長
「最近、クマ被害は集落、市街地、人の生活圏で起こっている。今年度だけで12人の死者。過去最高で非常に深刻な状況だと捉えている。地域に住んでいる人の不安は計り知れないものがある。速やかに実効性のある駆除対策を打ち出していかなければいけない」

 クマ対策の初会合には環境省や農林水産省のほか、警察庁、防衛省などの幹部が出席しました。

 自民党の小林政調会長は「ハンターの人材確保が喫緊の課題」と指摘し、政府に対して猟友会と連携して増員を図るように求めました。

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