2025-09-17 18:58:11 配信

美女木JCT死傷事故で8年求刑 被告は反省の弁を述べるも「社会復帰したい」

 首都高速でトラックが乗用車に追突し6人が死傷した事故の裁判で、検察側はトラック運転手の男に懲役8年を求刑しました。裁判では、夫を亡くした女性が涙ながらに当日のことを語りました。

 降籏紗京被告(29)は去年5月、埼玉県戸田市の首都高速美女木ジャンクション付近をトラックで走行中、乗用車に追突し、3人を死亡させ、3人にけがをさせた罪などに問われています。

 17日の論告で検察側は「走る凶器と化した23.5トンの大型トラックを直前までブレーキをかけずに時速約80キロで衝突させた」と事故の状況を説明しました。

 さらに、降籏被告が過去5年で過失運転致傷を含む前科が2つあることを明らかにしました。

 それにもかかわらず、事故当時、スマートフォンを操作しながら運転していたことについて「交通法規への規範意識が極めて低い」と指摘したうえで、「亡くなった被害者の名前を言えず、遺族への謝罪もないなど反省の色が見えない」として懲役8年を求刑しました。

 裁判では事故で夫を亡くした船本恵津子さんが意見陳述し、「夫はMBAを取得した後も大学の社会人講座に通って資格の勉強をする、向上心がある人だった。事故当日は2人で作り置きしたカレーを夜に食べるのを楽しみにしていた。夫は『2日目のカレーめっちゃ楽しみや』と出掛け、私は『行ってらっしゃい』と送った。これが最後の会話でした」と涙を流しながら話しました。

 船本さんは、降籏被告が聴取で「次に乗るなら中型(トラック)かな」と話していたことについて「絶対に許せない」と述べ、厳罰を求めました。

 最後に降籏被告は「どのような刑でも受ける覚悟です、大変申し訳ないことをしてしまいました」と謝罪した一方で、「どう更生していけばいいのかしっかり考え、1日でも早く社会復帰したい気持ちもある」と述べました。

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