2025-07-14 18:30:05 配信

「人質司法は国による虐待行為」角川元会長の国賠訴訟で冤罪事件の遺族が意見陳述

 いわゆる「人質司法」を巡り、「KADOKAWA」の元会長が国に損害賠償を求めた裁判で、「大川原化工機冤罪事件」で勾留中に死亡した男性の遺族が検察や裁判所の在り方についての意見陳述書を提出しました。

 出版大手「KADOKAWA」の角川歴彦元会長(81)は、東京オリンピック・パラリンピックのスポンサー契約を巡り、組織委員会の元理事に賄賂を渡したとして逮捕・起訴されました。

 角川元会長は否認するほど身柄の拘束が長引く「人質司法」は憲法に違反するなどとして、国に2億2000万円の損害賠償を求めて裁判を起こしています。

 東京地裁で14日に開かれた第2回口頭弁論で、角川元会長の弁護団は捜査の違法性が認められ冤罪事件となった「大川原化工機」事件で勾留中に亡くなった相嶋静夫さんの遺族による意見陳述書を提出しました。

 意見陳述書には相嶋さんが勾留中に胃がんと診断されたにもかかわらず、医療機関へのアクセスが許されなかった経緯や身柄の扱いに関する最終決定者の裁判官が変わらなければ人質司法の実態も変わらないのではないかなどといった問題提起が書かれています。

 公判後に行われた会見で相嶋さんの遺族は、角川元会長の勾留が決まった経緯などについて「同じだなと感じた」と話したうえで、「人質司法は国が行う虐待行為です。(角川さんの裁判を通じて)人質司法が存在するってことを国に認めてもらいたい」と話しました。

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