2025-07-08 19:54:49 配信

早朝営業のラーメン店&屋外プールは使用禁止“亜熱帯化”で変わる日本

 猛暑日続出で「亜熱帯化」したといわれる日本列島。私たちの生活にも変化が出ています。

■日本が「亜熱帯化」?

 “亜熱帯化”が進む日本。飲食店では気温が上がる日中を避けて、朝営業に切り替え。学校では、猛暑の影響で屋外プールが使われていない事態に。

埼玉県内の小学校校長
「暑さ対策という意味では、こういう天気の日でも使えない状況」

 都内では高齢者の熱中症が相次いでいます。

 8日、東京は2日連続の猛暑日で、最高気温が35.8℃。30℃以上となるのは13日連続です。

40代
「(Q.暑さで変わった『ライフスタイル』は?)買い物をまとめて済ませる。あまり家から出ないようにしている」
「(Q.買い物の頻度は?)数日分まとめて買うようになったので、半分近くに減った」

 この夏は、過去にない異変が起きています。

 亜熱帯気候の沖縄では、那覇の6月の平均最高気温が平年は29.8℃です。

 東京都心では平年26.1℃と那覇より3℃以上低いものの、今年の6月は平均が29.3℃。那覇と0.5℃しか差がありません。

 東京が“亜熱帯化”しているのでしょうか。

■室内でも熱中症相次ぐ

 都内では、室内で熱中症になる人が相次いでいます。

医師
「クーラーがないのか」

「でも全然『暑い』と言わない」

 「在宅診療」を受ける、80代の男性。寝ている部屋にはエアコンがありません。

医師
「扇風機だけ?今あるのは」

「はい」
医師
「結構皮膚が乾いている。脱水症があるかもしれない」
医師
「周り暑くないですか?」
患者
「暑い」

 脱水症状がみられる男性。数日前から食欲がなかったといいます。

患者
「あー」
医師
「血圧低めですね」

 男性がいる部屋の隣には、エアコンがありますが…。

医師
「クーラーはついてる?」

「去年使ったけど、私は別に暑くない」
医師
「風は出ていない。壊れている?」

「分からない」

 妻の額には汗が。

医師
「お母さん汗が滴っている」

「私、水風呂に入るから」

 一方、夫は…。

医師
「汗をかいていない。それが問題。暑いと汗をかいて、それを乾かして体温を下げる」


「大丈夫?」
医師
「脱水症だと思う。熱中症」

 熱中症と診断された80代の男性。点滴を受けます。

 特に高齢者は「暑さに気付きにくい」と、医師は警鐘を鳴らします。

ひなた在宅クリニック山王 田代和馬院長
「高齢者はもともとの体内の水分量が少ない。体に熱がこもった時の体を冷やすシステムが少し衰えている。暑さに気付きにくい。毎日、複数の人が暑さに起因する体調不良を訴えている。一部の人は熱中症になり重症化している。湿度が高いと、かいた汗が乾かない。水だけが失われて体が冷えない悪循環に入る。気温、湿度両方とも適切にコントロールするのが大切」

■授業中断も 学校生活に変化

 学校での生活にも、大きな変化が。気温や湿度などから示される「暑さ指数」を、体育の授業の前には必ず確認します。

教師
「きょうWBGT(暑さ指数)29.4℃。厳重警戒になっているので水分補給をしっかりとります。いいですか?」
児童
「はーい」

 暑さ指数は「厳重警戒」のため、熱中症に注意しながら校庭で体育を行います。31以上の「危険」に達した場合は、校庭ではなく体育館に移動します。

 開始から、わずか6分で…。

教師
「先生が笛を鳴らすまで水分補給の時間とします」

 水分補給の後、サッカーが始まります。しばらくして再び水分を取っていると、ミストの下に児童たちが集まりました。

 小学校では児童たちが熱中症にならないよう、徹底した対策が取られています。

児童
「気持ちいい」
「暑くてもミストがあると気持ちよくて、熱中症になりにくいと思う」

 体育の授業が終わった後に再び暑さ指数を確認すると、31℃を超え「危険」に達しています。

養護教諭 伊藤琴乃さん
「湿度と温度がとても高い状況なので、熱中症のリスクが高まる」

 暑さ指数が「危険」になった時点で、屋外での運動は禁止になります。校内放送で教師や児童に伝えます。

校内放送
「現在、熱中症の暑さ指数がとても高くなっています。そのため校庭で遊ぶことができません、校舎内で静かに過ごしましょう」

 猛暑の影響で屋外で活動できない時間が増えるなか、プールの授業にも変化が。こちらの学校では現在、屋外プールは使っていません。

新座市立八石小学校 川南真一校長
「(プールは)外の体育の一つなので、暑さ対策という意味では、こういう天気の日でも(プールを)使えない状況がある」

 プールの授業は、民間委託として別の場所にある室内プールで行っています。

川南真一校長
「今の夏の暑さについては、色々と検討しないといけない事案が増えている」

■早朝営業のラーメン店に行列

 猛暑で、飲食店の営業時間も変わっています。

 東京・豊島区のラーメン店。もともと午前11時からの営業でしたが、去年夏から開店時間を前倒しして、午前8時からに変えました。

麺創庵 砂田 砂田裕史店主
「もう一言で言うなら暑いから。年々やっぱり暑くなってきて11時にオープンする頃にはとんでもない暑さになっているから、(客に)来てもらうのも気の毒なので」

 朝営業に切り替えたことで売り上げが増加。

砂田裕史店主
「1.3倍くらい。昼と夜の時よりも売り上げはいい」

 “亜熱帯化”が進む日本。社会の在り方も、大きく変わりつつあります。

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