2025-05-25 23:30:48 配信

進次郎氏コメ高騰対策チーム発足へ“2000円米”実現で備蓄米の値段は二極化か

6月上旬には5kg2000円で備蓄米を店頭に並べたいと宣言し、精力的にアピールする小泉大臣。そんな中、石破総理がコメ高騰対策や事実上の減反政策の転換など、農政改革に関する閣僚会議を、近く再始動することが分かりました。

■コメ高騰 対策チーム 月曜に発足へ

25日、埼玉県で開催された全国植樹祭。
(小泉進次郎 農林水産大臣)「おめでとうございます」
「ありがとうございます」
就任5日目の小泉進次郎 農林水産大臣。コメの価格高騰を抑えるため、矢継ぎ早に対策を打ち出しています。関係者によると、農水省は26日にも正式に「コメ対策チーム」を立ち上げる方針であることが分かりました、
(小泉進次郎 農林水産大臣)「私の意識としては、あのコロナの時のワクチンの流通をやっているような感覚で、日々、1人でも多くの方に何とか早くおコメを届けたい」
「おはようございます、みなさんきょうはよろしくお願いします」
前日は、北海道でコメ農家らと意見交換を行った小泉大臣。
(小泉進次郎 農林水産大臣)「とにかくスピードだと。このコメの異常な高騰は、これ以上高止まりを続けていたら、きょうは農家のみなさんもおいでですけど、コメ離れを加速させかねないと」
備蓄米の随意契約に向けた手続きを週明けにも始めると説明し、理解を求めました。参加した農家は備蓄米放出に理解を示す一方で…
Q.大臣とはどのような会話をした?
(コメ農家 久保宣夫さん)「ようするに生産者の現状、現場はこういうことだよということを伝えたんです。大臣はよくわかっていないんです、現場を。こんだけおコメが足りない、足りないと言っているわりには、まだ我々は30%休んでいるんです。おコメを作らないで。そこ(減反政策)はまず直さなきゃだめだと思うんですよ」
小泉大臣は、備蓄米を一気に放出し「早ければ6月上旬には5kg2000円で店頭に並べたい」と述べています。
(小泉進次郎 農林水産大臣)「対象は、今回は大手の小売り。量としては10万t、10万t、10万tではなく、一気に30万t。仮に30万t以上の需要が出た場合は無制限で出していきます」

■「米2000円」小泉大臣 週末も発信

小泉大臣はこれまでの「競争入札」を見直し…小売業者などと直接「随意契約」することで流通コストを削減、早く、安い備蓄米を店頭に並べられるとしています。
1万t以上を扱える大手小売りを中心に売り渡し、条件に当てはまると想定される業者数は50社ほどだといいます。
(小泉進次郎 農林水産大臣)「『よくわかった』と、そういうふうに農家の方にも言っていただいたというのは非常にありがたかったです。ありがとうございます」
意見交換会には、北海道の大手スーパー会長やドン・キホーテの運営会社幹部の姿もありました。
Q.備蓄米の随意契約というのは、もしお声がかかったらどのように?
(北海道の大手スーパー「アークスグループ」横山清会長)「やりますよ。もうける先に、いかに健康で安心・安全なものを納得価格で供給できるか、これが今一番大事なこと。」
一方、こんな話もしたそうです。
(アークスグループ横山清会長)「本当にざっくばらんな、皆さんの前で話できないようなことも、変なことじゃないですよ。 実際『ないない』と言っているけれども落ち着いてみたら『あれっ1年分のコメがこんなにあるよ』と。そういうことが起こることも考えなければいけませんよ大臣と、こういうことを申し上げたと」

いち早く随意契約に参加する意向を明かしたのは楽天・三木谷会長。スピードを重視し、備蓄米を“玄米のまま販売”する方法も考えているといいます。
(楽天グループ 三木谷浩史会長)「(販売の)開始というのはですね、すぐにもできるのかなと。それこそ精米機とパッケージにして買っていただくというようなこともできるのではないかなと思っているので、ネットだからこそスピーディーにできる」

■スピード重視 備蓄米“玄米”で流通か

玄米のままでいち早い流通を期待する声も…
「精米けっこう好きなので、楽しいので、普通に玄米のままで流通してもいいんじゃないかなと思います」
「5分づきのほうがおいしい」
東京・狛江市にある、無人のコイン精米所です。
(コイン精米所を運営 鈴木幸雄 店主(85))「例年になく、今年は(利用者が)多いですね。5割増しくらいなんじゃないですかね」
コメが高騰する中、地方に住む家族や親せきなどから玄米を送ってもらう人が増えているといいます。
(利用客)「精米の能力が足りないから、なかなか(流通)できないということであれば、こういったところもありますので。玄米のほうが家に置いてあっても保存が長くできると思うので、いいんじゃないかなと」

■備蓄米の値段2つ!? スーパー困惑

この週末、スーパーのコメの値段はというと。
(スーパーたなか三丁目店 田中達人店長)「5kgで一番安いのが、こちらのこしいぶきで、(税抜き)4200円ほど、一番高いのが無洗米のこしひかりで税別で4800円ほどが一番高くなっています」
コメ価格の高止まりが続く中、こちらのスーパーには、来月上旬、ようやく初めての備蓄米が届くといいます。
(スーパーたなか三丁目店 田中達人店長)「こちらですね。納品日が6月5日、13日、20日に数が確保できたんですけど、できれば3500円にいかないくらいで販売したいというのが正直なところですね」
この5kg3500円ほどで売りたいという備蓄米は、江藤前大臣の時に「競争入札」で放出されたものです。
頭が痛いのは、同じ来月上旬には、小泉大臣が5kg2000円を目指している「随意契約」の備蓄米も市場に出回る可能性があることです。
(スーパーたなか三丁目店 田中達人店長)「仕入れ値は、前の備蓄米の価格は変わらないので、2000円にポッとしろと言われても難しいので、いろんな価格のものが並ぶこともあるかもしれません」
消費者の中には、来月上旬まで、コメを買うのを控えるという人も。
「2000円台にするって言っていましたよね」
「それは本当に期待したいよね」
「とりあえずコメを買うのは1週間だけ待とうと」
「(6月上旬まで)耐え忍んで…雑穀米だったり、もち麦入れて、ごまかしごまかしやってくしかないですね」


5月25日『有働Times』より

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