2025-06-24 20:26:52 配信

“家計の味方”鶏肉が高騰 国産のみならず… なぜ?いつ安くなる?

 4000円を切ったコメの平均価格。こうしたなか、家計に優しいはずの鶏肉が今、値上がりしています。一体なぜなのか、そしていつ安くなるのか。専門家に聞きました。

■コメ値下がり 店頭価格も安く?

 銘柄米の価格は「いまだ高騰している」とスーパーの店長は頭を抱えています。

おっ母さん食品館 柏の葉キャンパス店 侭田由美店長
「(価格は)下がってきていない。銘柄米の売れ行きが今後、値段が下がらないとどうなるか心配」

 銘柄米の価格を見てみると、北海道産「ななつぼし」は5キロあたり4946円。富山県産「コシヒカリ」は5054円。

 ほとんどの銘柄米が4000円台後半から5000円と、高止まりしています。

80代の人
「北海道のななつぼし、こんな高くなっちゃった。前は4000円くらいだった」
「高いですよね。本当に高い。倍近くになっているものもある」

50代の人
「消費税を含めて4000円切ってほしい」

 23日、農林水産省が発表した全国でのスーパーのコメの平均価格は、5キロあたり税込みで3920円。前の週から256円値下がりして約3カ月半ぶりに3000円台になりました。

 ただ、備蓄米を含むブレンド米は大幅に値下がりしたものの、銘柄米は依然として4000円台が続いています。

■コメの平均価格3000円台 消費者の本音は?

50代の人
「他のスーパーに行ってもコメの値段を見ているが、結構4000円を超えているところが多くて、(銘柄米は)3000円台前半なら買おうかな。でも売ってなくてなかったら買うしかない」

 パックのご飯を買った30代の女性は…。

30代の女性
「(Q.通常のコメは買う?)買うけど高いのでためらってしまう。きのう、アメリカ産のコメが安く売っていたので。2000円台で税込みだと3000円を超える」

 店頭で唯一、税抜き4000円を切っている銘柄米は22日から販売している山形県産の「雪若丸」です。

おっ母さん食品館 柏の葉キャンパス店 侭田由美店長
「問屋は(雪若丸を)スポットで仕入れているので、まだ他の銘柄米は値段が下がるという連絡は来ていない。雪若丸だけ安く手に入ったみたい。現状、定番の商品はそんなに下がらないのではないか」

■鶏肉なぜ高騰 いつ安くなる?

 “庶民の味方”鶏肉にも値上げの波が押し寄せています。

30代の人
「コメも高くなっているし、鶏肉も高くなると困ります」

 横浜市のスーパーを訪ねると…。

セルシオジャパン 鶴田聡部長
「国産の鶏肉コーナーです」

 「スーパーマーケット セルシオ和田町店」では国産の鶏むね肉を去年は100グラム69円で販売していましたが、23日は20円値上げして販売。鶏もも肉にいたっては41円もの値上げです。

 スーパーで肉を販売して20年になる鶴田部長も驚きを隠せません。

セルシオジャパン 鶴田聡部長
「正直、上がり下がりは今まで経験はあったけど、ここまでの大幅な値上げは経験がなかった」

 高値の理由は餌(えさ)代や輸送コストの高騰のほか、物価高で安い鶏肉にニーズが高まっていることも考えられるといいます。

30代の人
「今まで肉の中でも鶏肉は安くて家計の味方という感じ。高くなったらどうしよう…ってなる」
「カレー、から揚げ。他の肉より(鶏肉は)安いので。またすぐ(価格が)戻ってほしい」

 値上げは国産の鶏肉だけではありません。

 大盛りが自慢の唐揚げ専門店では、拳サイズの大きなから揚げを3個乗せたお弁当。値段は税込み760円。

30代の人
「感動だよ、この大きさは。男のロマンですよね」

 安さの秘密は国産の鶏肉より安いブラジル産を使っているからだといいますが、その価格にも異変が…。

BUS STOP 中村巧代表
「(仕入れ値は)じわじわ、ちょっと上がってきている。だいたい去年6月と比べると、2、3割ほど値段は上がってきている」

 去年は1キロ360円で仕入れていましたが、今年は440円前後に。そのため…。

BUS STOP 中村巧代表
「実は2日前から1年ぶりに(一部の商品を)値上げ。40円から50円ほど値上げ」

 コメ、さらに鶏肉の高騰が追い打ちをかけます。

BUS STOP 中村巧代表
「値段を据え置きにしてボリューム下げる方法もあったが、それだとやっぱり、うちの店じゃなくなっちゃうので」

■ブラジル産の鶏肉 なぜ高騰?

 ブラジル産の鶏肉はなぜ高騰しているのでしょうか。専門家は主に2つの要因を指摘します。

食品ジャーナリスト 高橋寛氏
「世界では鶏肉の消費が一番多い」

 実は、世界の鶏肉の消費量は増え続け、今や牛肉の2倍近くになっています。

食品ジャーナリスト 高橋寛氏
「宗教的に鶏肉は問題がない肉。むね肉はタンパク質が豊富、価格も安い、ヘルシー。その面でも相当、消費が伸びている」

 そして、2つ目の理由はブラジル国内で発生した鳥インフルエンザです。

 日本が輸入する鶏肉の約7割がブラジル産。一部地域から鶏肉の輸入を停止したことで価格高騰につながっているといいます。

 では、価格はいつ落ち着くのでしょうか。

食品ジャーナリスト 高橋寛氏
「(現地の)冬が終わらないことには鳥インフルエンザの撲滅は難しい。終われば多少、供給が増えるので(価格的にも)良いかなと」

 ブラジルは今が冬。あと4カ月ほど経てば春になり、鳥インフルが収束すれば価格も安定するとみています。

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