【特集】双葉町の住民帰還開始から4年 町に変化 シンボルとの別れも
2026/9/1 15:30双葉町は30日で、住民の帰還が始まってから4年が経ちました。
新たなにぎわいが生まれた一方で、
JR双葉駅から歩いて約5分、2026年3月にオープンした飲食店「こんどこそ」です。
平日のお昼時には、町内外から訪れた人たちでにぎわいます。
【双葉町で働く人】
「よくきています。うちの会社の事務所こっち(近く)なので、昼にも来ますし、夜ごはんだとたまに飲みにきたりもしています」
Q.ここのごはんはおいしいですか?
「おいしいですよ。大体刺身定食。今日はとんかつ定食でしたけど、おいしいですね」
2026年3月、町にはこの店を含め3つの飲食店がオープンし、新たな日常の風景が生まれ始めています。
【仕事で東京から来た人】
「目の前にイオンが出来たり、このお店が出来たり、(町が)大分変わったっていう印象はありますね」
一方、かつて町の人たちに親しまれた場所は…
双葉だるまの壁画を背景に、春には桜を楽しむことができた旧双葉町図書館。
この図書館とその近くにある歴史民俗資料館は、2026年度以降に解体される予定です。
2026年4月、解体を前に最後の見学会が開かれました。
【本を読む親子】
子「泥だらけー!」
母「すごいね雨降ったからね。あ、お風呂入ってるよ」
あの日まで27年間、町民に愛されてきた図書館。
原発事故によって長い間立ち入ることができなかった場所です。
かつての姿を振り返ろうと、町内外から2日間で約500人が訪れました。
【町に住む親子】
「私、双葉出身なので、小さいころからこの図書館を使ってて、昔読んでいた本とかどうなっているかなというのを見たかったし、あと子どもたちにも、私が小さいころを過ごしていた場所を見せてあげたいなと思って来ました」
建物の解体に伴い、図書館のそばにある桜も撤去されます。
その桜を写真に収めていたのは、双葉町役場で働く佐藤葉月(25)さんです。
佐藤さんもまた、幼いころから図書館と桜を見て育ちました。
【佐藤葉月さん】
「桜は毎年見ていた部分もあったので、それがなくなるってなると悲しいですね」
「自分の自宅もじゃないですけど、一度取り壊して建て直すっていうことは、思い出はあれど、また新しいものを構築するっていうことなので、全然いいかなと思います」
先祖代々受け継がれてきた、佐藤さんのかつての自宅。
原発事故の発生後、長い間残っていましたが、解体されることが決まっていました。
2026年3月、佐藤さんはいわき市などに住む家族とともに、最後に自宅を訪れました。
【佐藤さんの父・大さん】
「前向きだよね、何でも。いつまでも立ち止まっていられない。でしょ?」
【佐藤葉月さん】
「うん。そうですよ。そりゃもちろん。いつか朽ちていくし、いつかなくなるし、そのための1回更地、リセットで、前向きで、進むことが、必要だと思います」
そして、家はなくなりました。
【佐藤葉月さん】
「(取材日の)2週間前くらいに家族と一緒に来ましたね」
「やっぱりここだなって思うし、建物はもうなくなっちゃったんですけど、やっぱいいとこだなって思います」
佐藤さんの自宅があった地区は、2025年11月に立ち入り規制が緩和されました。
しかし今もなお、帰還困難区域に指定され、住むことはできません。
2026年8月1日時点で町に住む人は、原発事故前の約7千人を大きく下回る270人。町は、住民の帰還を進めるため、佐藤さんの自宅があった地区を含む3つの行政区について、今年度中に避難指示を解除できるよう、整備を進めています。
【佐藤葉月さん】
「元いた私の地域が避難指示解除を受けて、住めるようになっていくのは、とてもうれしいことかなと思います。住んでいたところはここなので、元の所に戻りたいという方々もいらっしゃるのではないかなと思います。もちろんその一人でもあるので」
新たなにぎわいの場が生まれる一方、かつての暮らしを支えた場所との別れもあった、この1年間。
変わっていく町の中で、佐藤さんは、なくなった自宅の跡地で、新たな思い出を作ろうとしています。
【佐藤葉月さん】
「うちの父親がよく友達を呼んで、そこでバーベキューをしていたのはやっぱり憧れでもあるので、もし戻ってきたとしたら、次は私の友達を招いて、ここでバーベキューが出来たらいいなと思います」
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