【特集】除染土の行方 再生利用から1年 地権者に新たな動き

2026/7/22 10:49
XでシェアFacebookでシェアLINEでシェア

除染で出た土の再生利用が総理官邸で始まってから1年が経つ中、一時保管されている中間貯蔵施設の地権者の中には、必ず自分の土地を返してもらうため、新たな動きを始めた人もいます。

【地権者 門馬幸治さん】
「この溜まり続ける土を見ると、本当に2045年に帰ってこられるのかなということは、正直疑問になるのは事実ですね」

原発事故が起きてから15年が経っても行き場が決まらない除染土壌。その量は今も増え続けています。

【過足竜太朗記者】
「この先に見えるのが、除染で出た土が保管されている土壌貯蔵施設です」
「上空から見てみると古墳のように土が盛られていて、膨大な除染土が一時保管されているのが分かります」

これまでに東京ドーム11杯分に相当する除染土壌が中間貯蔵施設に運ばれました。総理官邸に除染土壌が運び出された1年前と比べると、30万立方メートル増えています。一方、総理官邸や中央省庁で再生利用された土は、70立方メートルにとどまっています。

この膨大な量の除染土壌は、搬入が始まった日から30年以内に、県外で最終処分されることが、法律で定められています。

【地権者 門馬幸治さん】
「2045年には私もここに戻ってきて、そして生活したいなって思っていますけども」

大熊町から避難する門馬幸治さん(72)は、中間貯蔵施設の地権者の一人で、国と団体で交渉を続ける地権者会の顧問を務めています。原発事故の前は、福島第一原発から200メートルほどの場所に住んでいました。

【地権者 門馬幸治さん】
「ここ私が生まれた住宅の敷地になります」
「もう無残な姿になっているということですね」

自宅は2024年解体しましたが、先祖代々受け継ぐ土地を守りたいと、土地は売らずに貸しています。

必ず自分の土地を返してほしいと、今年に入って新たに取り組み始めたことがあります。

【地権者 門馬幸治さん】
「こちらの敷地の一角、黒い防草シートが張ってあります。約2~3平米になるかと思います」
「石碑を建てます」
「石碑というものは半永久的に残りますよね。ですから、例えば2045年にここに住宅を建てて、ここに私が住んでも、この石碑と模擬住宅っていうのは、そのまま残りますんで」

国と交わした約束を必ず果たしてもらうため、環境省に許可を得た上で、この秋に石碑を建てることにしました。かつて暮らしていた住宅の模型も、この場所に置くことにしています。

【地権者 門馬幸治さん】
「門馬家っていうのは、こういう家だったんだなっていうような記憶をよみがえらせるために作って、保存しようかなというふうに思っています」

かつて住んでいた場所に再び戻るために。

一方で、除染土壌の県外最終処分に向けては、進展が見られていません。

【地権者 門馬幸治さん】
「本当に最終処分場を福島県外でやる気でいるのか、ということについては、甚だ疑問ですけども、決められたことはきちんと守っていただいて、戻りたくて、そして地上権で契約したわけですから、その辺はきちんと汲んでいただきたいな、というふうに思いますね」

約束の時は、刻一刻と迫っています。

【地権者 門馬幸治さん】
「もう、原子力発電所の事故から15年以上が過ぎているわけですよね。そうすると、あと18年っていうのは、本当に間もなくだと思います。ですから、きちんと進めることは進める、ということはやってもらえれば」

最新ニュース

全国ニュース