宮内庁の20代職員が天皇ご一家の生活費などに充てる内廷費の現金360万円を盗んだとして懲戒免職されました。

　宮内庁によりますと、侍従職に籍を置く20代の係員級の職員は、おととし11月から今年3月までの間に、宿直していた時に事務室から天皇ご一家の生活費などに充てる内廷費の現金360万円を盗みました。

　職員は「金に困り生活費に使った」と話しているということです。

　宮内庁は、この職員を懲戒免職とし、皇宮警察に告発しました。

　宮内庁は今年1月、収支の帳簿と事務室で保管する現金の残高が一致しないことに気付き、3月には3万円が不足したことから職員に確認したところ、現金を繰り返し盗んでいたことを認めたということです。

　管理する立場にあった侍従職の課長補佐級の40代の男性職員についても減給10分の1（1カ月）の懲戒処分としました。

　宮内庁の西村泰彦長官は「奉仕者である国家公務員として、また、皇室のご活動をお支えする宮内庁職員として、あるまじき行為であり、誠に遺憾」「皇室の皆さま方に対して大変申し訳なく、綱紀の厳正な保持を徹底し、再発防止に取り組んで参ります」とコメントを出しました。