【福島県知事選挙2026特集】減り続ける農家の数 新たなリーダーに求めることとは?

2026/10/23 11:12
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10月25日投開票の県知事選挙に向けて、県政の課題を掘り下げます。

県の基幹産業である農業の現場では、農家の高齢化や担い手不足が深刻です。

新規就農者を増やすため、県は支援を続けていますが現場の受け止めは。

そして、新たなリーダーに求めるものとは?

安達太良山のふもとに広がる中通り屈指のコメどころ・大玉村。

農業法人の社長、伊藤一男さんは、年配の農家が農業の現場を離れていく現状に危機感を抱いています。

【伊藤一男さん】
「高齢者ですね、やっぱり年配の方が『もうできない』という方が、徐々に増えていますね」

農林水産省の調べによると、県内の農家の数は、2025年2月の時点で約4万人。

10年前から約4割減少し、その77%が65歳以上です。

【伊藤一男さん】
「(10年後農家の数は)かなり減ると思います。そうなった場合、結果的には作る人がいない」

そんな中、福島の農業を未来につなぐために求められているのが、若い世代の力。

この日、収穫作業をしていた馬場達也さん(25)は、県の農業短期大学校を卒業し、3年前に伊藤さんの農業法人に就職しました。

【馬場達也さん】
「ちょうど今は収穫の時期ですけど、収穫となると達成感もあってすごくやりがいを感じています」

2026年5月までの1年間に、県内で農業を始めた人の数は359人。

震災が起きた2011年の約2倍です。

新たに農業を始めた人には、国が3年間で最大165万円を補助。

県も、新規就農者を支援する団体の運営費の一部を補助しています。

県は、2030年までに、新規就農者の数を400人にするという年間目標を掲げています。

【伊藤一男さん】
「助かるのは助かります。3年などの期間の中で支援していただくのは、会社にとってはいいことだと思います」

一方課題となっているのが、定着率。

新規就農者のうち、5年後も農業を続けている人の割合は、45%にとどまります。

馬場さん自身は、働きやすさや仕事のやりがいを感じていますが、農業界全体では働き方の改善が必要だと感じています。

【馬場達也さん】
「(ほかの農業法人は)かなり遅くまで稲刈りをしていたり、休みもほとんどなく出たりする印象があります」

さらに、雇う側は給与などの面にも原因があると考えています。

【伊藤一男さん】
「会社経営においては利益が出ないと、社員の人たちにも思うように給料を上げてあげられないのが現状なのかなと思います」
「米がある程度の値段であれば、それなりに雇用できると思いますけど、現状ではなかなか難しい」

全国の新規就農者の平均年収は186.8万円、県内の平均所得292.1万円を100万円以上下回っています。

今回取材したコメ農家の場合、所得に大きな影響を与えるのはコメの価格。

去年のはじめ、全国平均で5キロあたり4416円だったコメ価格は、この1年で1,500円ほど下がり、2,800円台にまで下落しています。

売り上げが減れば、社員や役員の給与を減らすことなども考えなくてはならないと伊藤さんは話します。

【伊藤一男さん】
「去年ぐらいの価格であればある程度できるが、去年の半分になった価格ではなかなか(経営が)追いついていかない」

【馬場達也さん】
「(作物の価格は)流動的で、どうしても波があって不安になることもあります。安定していると働く側としては安心して働けると思います」

新規就農者が増えてきた今離農を防ぐために、県に求められることとは?

【伊藤一男さん】
「安心して作れる支援が必要です」
「お米の値段が高かったり安かったりするのではなく、安定した価格で生産できる価格体系を県や国にきちんと支援していただくことが大事」

【馬場達也さん】
「安定した収入があることは、離職率の低下にもつながると思います。働き続けられることで、農地も守られていくと思うので、そこを頑張っていただきたい」

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