【特集】2千円台になったコメ 収穫も進まず苦しむ農家
2026/9/29 15:00台風25号が県内に最も接近した日の翌日。
久しぶりに青空が広がった二本松市の田んぼは、ぬかるんでいました。
【渡辺年雄さん】
「(田んぼが乾かないと)機械が入らない。機械が入れない時に無理して刈ると、泥がついて品質低下になっていく」
二本松市のコメ農家・渡辺年雄さんの田んぼでは、長雨の影響で収穫が遅れていました。
【渡辺年雄さん】
「やっとお米になって、これから刈るぞというときに、長雨で刈れなかったと」
収穫の最盛期を迎えていますが、約30ヘクタールの田んぼで刈り取りが終わっているのは、全体の2割ほど。
このまま収穫ができずにいると、さらにイネが倒れて品質が落ちる恐れがあります。
【渡辺年雄さん】
「やはり収入面というか、2等米、3等米になりますと価格がまた下がりますんでね。そうすると、やはり今年、お米が安いのに、また収量が減るとなると、非常に痛手になりますね」
コメの価格の全国平均は、9月に入り2千円台にまで下落しました。
農家が集荷業者に販売する価格も、大幅に下がっています。
【渡辺年雄さん】
「去年はこれ一本(1トン)で57万くらいしたんですけど、今年は半値以下の24万くらいになります」
渡辺さんの地域では、JAが農家に一時的に支払う概算金(コシヒカリ)は60キロ当たり1万4,000円と、2025年の半額以下です。
一方で、コメを作るためにかかる経費は上がっています。
【渡辺年雄さん】
「これ(肥料)20キロで6千円するんです」
「コストがやっぱり3,000万円を少し超えますんで、もう赤字ですよね」
「1,000万円ぐらいはもう今年、赤字を覚悟しています」
「赤字になってしまえば、そういう方はもう撤退もしょうがないんじゃないかなと見ています」
コメの流通などに詳しい東北大学の冬木勝仁教授が注目するのが、コメを作る際にかかるコストの指標。
農家が直面している課題の深刻さが浮き彫りとなっていました。
【東北大学 冬木勝仁教授】
「米のコスト指標60キロ当たり20,535円という数字が出て、これを小売段階にすると、5キロ当たり2,816円になるんですが、これには利益が含まれていないので、利益を含めると3,500円以上というのが、一応、国の方で公式に認めた、農家が採算を取れる価格」
冬木教授によりますと、農家が利益を得るために必要な販売価格は、5キロ当たり3,500円以上。
2,000円台にまで下落してしまった今、コメの生産を諦める農家が増えるのではないかと指摘します。
農家が辞めて生産量が減ってしまった場合に想定されるのが、急激なコメ価格の上昇です。
【東北大学 冬木勝仁教授】
「来年、ぽんと上がるとか、そういうような状態もないわけではないと思います」
「(国は)放出した分の買い戻しをやっていただくと、ある程度、需給が締まってくるので、米が暴落していくということは防げる…」
販売価格の下落やコスト高。
生産者に求められるのは、急激に変化する環境への対応です。
【東北大学 冬木勝仁教授】
「輸出を拡大して、需要そのものを拡大していくのが、一つの方向性としては考えられる」
「お米って、輸出しても炊飯器がないと食べられない。もっと手軽に食べられるということで、パックご飯にして、輸出する…」
【渡辺年雄さん】
「やっぱりおいしい米を、それを数多くの方に食べていただきたいので、できるだけ本当においしい米作りという形で、手間暇をかけながら頑張っていきたいなと」
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