【特集】必ず自分の土地へ 地権者の新たな取り組み

2026/10/7 14:00
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KFBがシリーズでお伝えしている『除染土の行方』。

中間貯蔵施設の地権者は、必ず帰ると誓った場所を守るため、新たな取り組みを始めました。

【門馬幸治さん】
「2045年3月には、この土地に帰るということが私の1番の願いです」

除染で出た土について、国が地権者と交わした県外最終処分の約束。

その期限まで、あと19年です。

【門馬幸治さん】
「56年住んだ家の思い出がよみがえってくると言いますか。帰りたいっていう気持ちは、より強くなりますね。あと19年ありますけども」

約束の時は、刻一刻と迫っています。

福島第一原発を囲うようにして整備された中間貯蔵施設。

原発事故に伴う除染で出た土などが一時保管されています。

施設への運び込みが始まってから30年以内に、県外で最終処分することが法律で定められています。

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線量計をみつめるのは、中間貯蔵施設の地権者、門馬幸治さん(72)です。

【門馬幸治さん】
「(自宅があった場所に)帰ってくると、必ず空間線量を測定するんですよ。だいたい2マイクロ(シーベルト/h)。ずいぶん落ちましたね。当初は、原発災害時は60マイクロ(シーベルト/h)ありましたから、ここで」

原発事故の前、門馬さんは福島第一原発から200mほど離れた大熊町の、この場所で暮らしていました。

自宅は2024年に解体しましたが、先祖代々受け継ぐ土地を守るため、土地は手放さず国に貸しています。

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【門馬幸治さん】
「更地になった土地ではありますけども、自宅っていいなって、やっぱり思いますね。本当に、はい」

国に貸している土地に、いつか必ず帰るために。

門馬さんは新たな取り組みを始めました。

環境省の許可を得て、この土地に石碑とかつて暮らしていた住宅の模型を置くことにしました。

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【門馬幸治さん】
「震災後15年と6か月経つんですが、こうやって自宅に入って、住宅はなくなりましたけど、こういうふうに(石碑などを)作ることで一時立ち入りの意欲もわくし」

門馬さんは土地の手入れなどをするために、避難先の相馬市から月に一度ほど、この場所に通っています。

しかし、目の前に広がるのは、かつての面影が消えた更地です。

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【門馬幸治さん】
「家が壊されてから来ても何もないんですよ。ただ更地になった土地を見るだけで心がものすごく寂しくなって帰るだけです。ところが、石碑とこの模擬住宅があるだけで、『家に帰ってきたんだな』という思いが湧くと思うんですよね」

中間貯蔵の事業が始まった10年ほど前から、この取り組みを考えはじめていた門馬さん。

長年温めてきた思いが、この日ようやく形となりました。

【門馬幸治さん】
「(県外最終処分の期日まで)あと19年ありますけど、その再出発の第一歩かなというふうに思います」
「門馬家跡」の文字は、直筆した文字をもとに、石碑に刻みました。

【門馬幸治さん】
「気持ちがちょっと変わったっていうことなんでしょうかね。なんとなく少しさわやかになったっていうか、安堵したっていうか。これで土地が戻ってくれば、余計うれしくなるんでしょうけども」
「これは震災前の我が家の住宅の写真なんですが」

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56年間暮らしたかつての我が家。

その記憶を少しでもこの場所に残そうとしています。

そして石碑の裏側には、門馬さんの変わらない思いが刻まれています。

【門馬幸治さん】
「地権者の思いというものをきちんとくみ取っていただきたい、このように強く思いますね。ここに書いていますが、2045年3月には、この土地に帰るということが私の1番の願いです」

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一方、9月30日には、第2次高市内閣のもとで新たに就任した、笹川環境大臣が来県。

就任後初めて被災地を訪れ、中間貯蔵施設が整備された大熊町と双葉町を視察しました。

大臣は、中間貯蔵施設の地権者の思いをどのように受け止めたのでしょうか。

【笹川環境大臣】
「2045年3月、このことは国の約束でありますから、我々として、県民の皆さん、それぞれの地元の被災地の皆さん方から、お声があることをしっかり真摯に受け止めて、策定したロードマップ、このことを確実に履行していくことが、次の信頼につながるという風に思っております」

政府が策定したロードマップでは、最終処分場について2030年ごろから調査・選定を始め、2035年を目途に処分場の仕様を具体化するとしています。

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しかし詳しいスケジュールなどは示されていません。

県外での最終処分は本当に実現するのか。

地権者は危機感を募らせています。

【門馬幸治さん】
「福島県外に(除染土壌を)全て持っていくというのが条件で契約したわけですよ。ですから、私どももハンコをおしたんです。ですから、それができないということであれば、裏切り行為なんですね」
「きちんとした形で、最終処分場に向けての動きを加速していただきたい、というふうに思います」

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