AI×医療で“命を守る” 患部の3D化で医師の負担軽減 日本ならではの課題も
2026/7/11 12:26急速に発達するAI=人工知能が医療にも活用され始めています。日本が抱える課題も見えてきました。
緊迫した手術室に浮かび上がるのは、がん患者の肝臓です。目の前の3Dデータで、血管の位置や太さを正確に見ることができるといいます。
東京・駒込病院 脊山泰治医師 「自分がイメージしていた3D空間の中に入る。いざ体験するとこれはすごい世界なんだな」
3Dデータをつくっているのは医療機器「Holoeyes」です。
長時間働く医師の負担を軽くしたいとの思いから現役の外科医が開発し、およそ100の医療機関で使用されてきました。
Holoeyes 杉本真樹代表取締役CEO 「オレンジ色=膵臓(すいぞう)がん、黄色=膵臓。切って取り出す手術をします。水色=血管、オレンジ=膵臓がんのわずかな隙間を切らなければいけない」
肝になっているのが、急速に発達しているAIです。HoloeyesのAIは10万を超える臓器の詳細な位置関係を学んでいて、CT画像から、腫瘍や血管を正確に抽出した3Dモデルの生成が可能になりました。
診断時間が短縮でき、医師はその分、綿密な手術計画を作れるようになりました。
東京・駒込病院 脊山泰治医師 「ここに腫瘍(しゅよう)があって、ここに血管があって、ここのラインで行く。術者の頭の中だけだった世界が、皆で見られる」
こうしたAIを活用した医療機器はアメリカではすでに、1000品目以上が実用化されています。
しかし、日本では環境が十分に整っておらず、およそ50品目にとどまっているのが現状で、開発企業は危機感を募らせています。
AI医療機器協議会 多田智裕会長 「厳しい経営状況の医療機関が多い中で、医療機関へのAI導入に関する支援があると、(AI医療機器の)社会実装が加速する」
厚生労働省は、開発中のプロジェクトから有望な「金の卵」を選定し、一貫した支援を行うプログラムを構想していて、来年度以降、なるべく早く実現させたいとしています。
Holoeyes 杉本真樹代表取締役CEO 「医療費の仕組みが非常に特殊で、使いたくても使えないドクターがいる。AI医療機器を使うことで、患者や医師へのメリットが明確になれば、経済効果も生めて、導入するメリットも明確になる」





