【特集】空き家を活用して街ににぎわいを

2026/10/6 16:30
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くずれ落ちた床に、大きく口を開けた屋根。

このまま放置すると倒壊する危険がある、いわゆる「特定空き家」です。

白河市では2025年、県内で2例目となる行政による強制的な取り壊しが行われました。

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【遠藤百恵記者】
「先ほどから行政による解体が始まりました。今は中のガレキなどが外に出されています」

県内の空き家の数は震災以降増え続け、過去最多の131,000戸(2023年)に。

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こうした空き家の売り手と買い手をつなぐために始まった空き家バンク。

白河市では、制度がスタートした2016年度から現在までに、180件が登録されています。

しかし、市内の空き家の数は1,287件(2023年3月末時点)で、今後もさらに増える見通し。

バンクに登録されているのはその一部にとどまり、多くの物件が活用されないままとなっています。

そんな中、空き家を「負の遺産」ではなく、新たな価値を生み出す場所としてよみがえらせた人がいます。

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いわき市で、空き家を改装したダイニングバーと宿を営む、三上健士さん。

前職での転勤をきっかけにいわき市を訪れ、結婚などを機に移住を決めました。

【三上健士さん】
「開業する時に、そんなに資金がなかったので、まずは新築っていうのは結構難しいなっていうのと、もともとあまり新築でピカピカしている建物とか好きじゃなかったので、古い建物をまた再利用して使えたらいいなということで空き家を選びました」

かつてタクシー会社の事務所だった建物は築70年を超え、一見するとかなり痛みが進んでいましたが、選んだのには理由がありました。

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【三上健士さん】
「この建物自体は正直、かなりボロボロで、ただ場所がすごく宿をやるのに適している場所だったので、それでここにしました」

三上さんが古い建物に魅力を感じるようになったきっかけは、バックパッカーとして海外を旅した経験でした。

【三上健士さん】
「海外を回っていく中で、古い建物を大事に使っているっていう文化がすごく好きで、なのでその建物自体に歴史をすごく色々感じるので、そういったものを感じられるところが魅力ですかね」

思い描いた空間を形にするため、改装はすべて自分の手で行いました。

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【三上健士さん】
「建物を最初見たときに、結構頭の中でわりかしクリアにこういう感じのお店にしたいなっていうイメージはできたんですけど、これをなかなか言語化してプロの大工さんに作ってもらうってなると、かなりハードルが高いなっていうところがあったので、自分で時間をかけてやってみようかなというのでDIYという選択をしました」

1年半をかけて少しずつ作り上げた店。

こだわったのは、古い建物だからこそ残っていたものを生かすことです。

【三上健士さん】
「一番苦労したのは、この窓ガラスとかですかね」

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空き家だったころから残っていた、昔ながらのガラス。

そのまま再利用することで、新しい建物にはない趣が生まれました。

【三上健士さん】
「結構来られた方とかも、このガラスを見て可愛いとか、ちょっとおばあちゃんち来たみたいだなあなんておっしゃってはくださいますね」
「せっかく古い建物を使うので、できるだけその良さを残せるようにはしたいなと思っています」

昔ながらの雰囲気を残しながら、新たな命が吹き込まれた空間。

そこには自然と人が集まるようになりました。

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【常連客】
「作る前、手つかずの状況も知っているので、そこからのこれなので、すごいです」
「味しかないんじゃないですか」
「すごいですよね、さびれた街の中に明かりがついて、昔の建物の看板もそのままでていうこと自体がもう、じいちゃんばあちゃんから新しい人までウエルカムみたいな感じじゃないですか。それがすごいなって思いますね」

自らの経験を、次は誰かのために生かしたい。

三上さんは新たな挑戦を始めました。

【三上健士さん】
「気づいたらそこの空き家が取り壊されたっていうケースがいろいろあったので、であればちゃんとしっかりと商売というか仕事にして、きっちりと最後まで責任を持ってサポートできるような態勢を作ることが大事かなと思って始めました」

三上さんは2025年、空き家を活用したい人の相談に乗ったり、建物のリノベーションを支援する会社を設立しました。

歴史や文化、思い出が詰まった空き家に眠る価値を見出す仕事に、可能性を感じています。

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【三上健士さん】
「持ち主の方が、出来れば残したいんだけど、つぶすことしかできないって方も結構いらっしゃると思うので、そういう方の手助けが出来ればいいかなと思います」
「古い物っていうのは、新しく作ることは当然できないので、せっかく日本というかいわきにたくさんいい空き家とかも残っていますので、そういったものを少しでも守っていけるようなことができればいいなと思っております」

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古い建物に刻まれた時間を、次の世代へ。

空き家を生かす取り組みが、地域の新たな景色をつくり始めています。

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