巨額の不正融資など一連の不祥事に揺れるいわき信用組合の新体制についてです。
組織的な不正について主導的な立場だったと指摘される元理事長。
白日のもとにさらされた不正の責任を取ってきょう退任した前理事長。
その後を受ける新理事長には、生え抜きの経理部長が選ばれました。
新理事長は不祥事の真相究明を図り、旧経営陣の責任を追及する考えを示しました。

いわき信用組合は１３日、一般企業の株主総会に当たる総代会を開き、一連の不祥事の責任を取り本多理事長らが退任しました。

その後の理事会では新経営陣の人事が承認され、経理部の部長などを務めた金成茂さん（５７）が新しい理事長に選ばれました。

■金成茂新理事長
「企業風土を改善していかなくてはいけない」
「一致団結してこちらの問題には取り組んでいきたいと思います」

金成新理事長は今後の信頼回復に向けて不祥事の事実関係の更なる精査や真相究明の徹底、経営責任の明確化や企業風土の改善など５つの方針を示しました。

また、架空融資に使う口座を開く目的で名義を無断で使われた顧客に対して直接謝罪する考えを示す一方、一連の不祥事を起こした旧経営陣に対しては損害賠償の請求や刑事上の責任追及も含めた手続きを進める考えも明らかにしました。

■総代
「やったことに対してはきちっと解明してもらいたいし、説明してもらいたい。やったことに対しての責任はとってもらいたいという気持ちは私個人としてはある」

きょうの総代会にはいわき市の内田市長やいわき商工会議所の小野会頭も出席し、信用組合の自浄作用に期待感を示しました。

■小野会頭
「メインバンクにしている５００社以上の方々に、これ以上もう心の不安と経営の不安を与えてはいけないというふうに思っています」
「新しい経営体制で、また新たな出発をして、そして信用を取り戻して、そしてまた地域に貢献していただきたいというのがきょうの趣旨でございます」

いわき市ではメインバンクとして利用する企業も少なくない信用組合は、失った顧客の信用を取り戻せるのでしょうか。