今年１月に郡山駅前で、大阪から来ていた大学受験当日の女性が、飲酒運転の車にはねられて死亡した事故の裁判員裁判で、懲役１２年の判決が言い渡されました。

この裁判は、郡山市の池田怜平被告（３５）が今年１月に酒を飲んで車を運転し、赤信号を無視して時速約７０kmで郡山駅前の交差点に進入して、大阪から来た受験生の女性（当時１０代）らを死傷させた罪などに問われているものです。

裁判の争点は危険運転致死傷罪が成立するかどうかで、池田被告は「信号をことさらには無視していない」と起訴内容の一部を否認。

検察は「信号に従うことが出来る状況にあった中、従うつもりがないまま交差点に進入した」と指摘し、懲役１６年を求刑していました。

福島地裁郡山支部は判決で、池田被告が手前の交差点で赤信号を無視して右折した後、タクシーや後続車両をかわして自分の車線に戻り、事故現場の交差点まで車線変更をしながら蛇行することなく進行していることや、現場までの複数の交差点で赤信号を無視しており一切減速することなく、一貫して加速していることなどを指摘し、「各信号機が赤色信号を表示していたとしても、これを無視して進行しようと考えていた」と認めました。

さらに、「飲酒の影響により眠気が強く、ところどころ記憶がない」などとする池田被告の供述については「信用できない」とし、「赤信号をことさらに無視して交差点に進入した」と認め、危険運転致死傷罪が成立するとして、懲役１２年を言い渡しました。