2025-08-22 配信
処理水放出開始からまもなく2年…水産物の取引価格に放出前後で変化見られず(福島)
福島第一原発のALPSで処理した水の海への放出は、始まってから8月24日で2年を迎えますが、漁業関係者は心配していたほどの風評被害はないと胸をなでおろす一方、引き続き安全性の発信を求めています。
いわき市の沼之内漁港の市場では22日朝、ヒラメやイセエビなどの常磐ものが競りにかけられました。
処理水の海への放出が始まってから、まもなく2年が経ちますが、心配されたほどの風評被害はないということです。
仲買人の猪腰洋治さんは「国がきちんとした形で管理しながら放水してると思うので、今後も大丈夫だと思う」と話します。
いわき市漁協によりますと、常磐ものなどの取引価格は放出前とほとんど変わらず、漁協は「正当に評価してもらっている」と話しています。
市内の30代の漁師からは、引き続き安全性の発信してほしいという声も聞かれました。
一方、海に放出された処理水に含まれるトリチウムは、福島第一原発の周辺の魚に蓄積していないことを福島大学の研究チームが発表しています。
福島大学の高田兵衛教授の研究チームは、2021年4月から2024年7月までに、福島第一原発から7km以内の範囲で魚類を採取し、体内のトリチウム濃度を調べました。
前回までの放出で、合わせて約22兆ベクレルのトリチウムを含む処理水が海に流されていますが、魚の体内のトリチウム濃度は採取した地点の海水とほぼ同じで、魚への蓄積は見られなかったということです。
「トリチウム自体は蓄積しないが放出することによって、何かしらの影響で蓄積するのではないかという懸念を払しょくしたいということで調査を行っている」と話す高田教授。
一方、放射性セシウムは比較的蓄積しやすく、魚の体内からは海水の数百倍ほどの濃度が確認されましたが、食品の基準値である100ベクレルを大幅に下回り、安全性に問題はないとしています。
高田教授は「こういった傾向は原発事故前から続いていて、放射性セシウムの性質だということも改めて分かった」と話し、今後も安全性を示していくために、継続的な調査が必要だとしています。
ただ、22日は福島市に市民団体などが集まり、改めて処理水の海への放出を止めるよう訴えました。
ふくしま復興共同センターの野木茂雄さんは、「想定外の事態が起きてしまえば、14年余りの県民の復興の努力が、一瞬で台無しになってしまう。こうした大きなリスクを抱えた海洋放出は、続けてはいけないと考えている」と話します。
団体は「関係者の理解なしにいかなる処分も行わない」という漁業者との約束を破ったとして海への放出を反対しているほか、汚染水の新たな発生を一刻も早く抑えることも訴えていて、8月24日まで県内の各地でこの活動を続けるということです。
いわき市の沼之内漁港の市場では22日朝、ヒラメやイセエビなどの常磐ものが競りにかけられました。
処理水の海への放出が始まってから、まもなく2年が経ちますが、心配されたほどの風評被害はないということです。
仲買人の猪腰洋治さんは「国がきちんとした形で管理しながら放水してると思うので、今後も大丈夫だと思う」と話します。
いわき市漁協によりますと、常磐ものなどの取引価格は放出前とほとんど変わらず、漁協は「正当に評価してもらっている」と話しています。
市内の30代の漁師からは、引き続き安全性の発信してほしいという声も聞かれました。
一方、海に放出された処理水に含まれるトリチウムは、福島第一原発の周辺の魚に蓄積していないことを福島大学の研究チームが発表しています。
福島大学の高田兵衛教授の研究チームは、2021年4月から2024年7月までに、福島第一原発から7km以内の範囲で魚類を採取し、体内のトリチウム濃度を調べました。
前回までの放出で、合わせて約22兆ベクレルのトリチウムを含む処理水が海に流されていますが、魚の体内のトリチウム濃度は採取した地点の海水とほぼ同じで、魚への蓄積は見られなかったということです。
「トリチウム自体は蓄積しないが放出することによって、何かしらの影響で蓄積するのではないかという懸念を払しょくしたいということで調査を行っている」と話す高田教授。
一方、放射性セシウムは比較的蓄積しやすく、魚の体内からは海水の数百倍ほどの濃度が確認されましたが、食品の基準値である100ベクレルを大幅に下回り、安全性に問題はないとしています。
高田教授は「こういった傾向は原発事故前から続いていて、放射性セシウムの性質だということも改めて分かった」と話し、今後も安全性を示していくために、継続的な調査が必要だとしています。
ただ、22日は福島市に市民団体などが集まり、改めて処理水の海への放出を止めるよう訴えました。
ふくしま復興共同センターの野木茂雄さんは、「想定外の事態が起きてしまえば、14年余りの県民の復興の努力が、一瞬で台無しになってしまう。こうした大きなリスクを抱えた海洋放出は、続けてはいけないと考えている」と話します。
団体は「関係者の理解なしにいかなる処分も行わない」という漁業者との約束を破ったとして海への放出を反対しているほか、汚染水の新たな発生を一刻も早く抑えることも訴えていて、8月24日まで県内の各地でこの活動を続けるということです。