KFB BLOG

こちらKFB!

2023-01-18

12年前の取材 母への道に光~笠置わか菜(KFBアナウンサー)

kasagi

フライパンに一気に流し込む卵液。手早くかき混ぜ、鮮やかなオムレツが出来上がる。

一見普通の朝食のようですが、それは12年前の避難先での朝ごはんでした。

当時、原発事故で放射線から子どもを守るため自主避難していた母娘を取材していました。

子どもたちは外遊びを制限され、放射線の影響の見解は専門家によっても分かれました。

答えのない息の詰まりそうな中、線量の低い南会津の公民館で同じ思いの母子が共同生活をしていました。

先の見えない手探りの暮らし。だだっ広い調理室で作られたオムレツはふっくらと湯気が立ち、震災でも原発事故でも母親が子どものために作るごはんには幸せが宿るのだと確信したことを覚えています。

あれから12年。当時の子どもたちは成人式を迎えました。

一方私は今、新しい命を身籠っていて、3月11日を迎える頃、母になる予定です。

あの日の母親たちの苦悩や決断、そしてあの黄色いオムレツが未知なる母への道を明るく照らしてくれているような気がします。

公式SNS一覧

Facebook Twitter Instagram YouTube