先日、就職活動中の学生に報道の仕事について話す機会がありました。そのなかで、「なぜテレビの記者になろうと思ったのか？」という問いが投げかけられました。

実は、初めから報道記者を目指していたわけではありません。ただ、テレビの仕事がいいなと思ったきっかけはあります。

大学４年生になる直前、病気で父を亡くしました。

それから数カ月後、偶然にテレビで自分と同じような境遇の人を伝えた番組を目にしました。その人は自分と同じような悲しみを抱えながらも、前を向いて歩こうとしていました。

その番組を見て初めて、父のことを思って泣きました。テレビを通して、自分は一人ではないと感じ、他の誰かとつながっている気がしたのです。

「自分もテレビ局で働いて、同じように苦しむ人の背中を押したい。そう漠然と思えたことがテレビ局を選んだきっかけです」。

学生たちに気づかされた初心を忘れず、大好きになったテレビ記者の仕事を続けていきます