2022-08-31
ニュースの取材態勢や報道内容を決め、記者の原稿をチェックするデスクを、4月から担当しています。
東日本大震災で津波の被害を受けた方や避難を余儀なくされている方々の現状や課題を報道する機会は、11年余り経った今も少なくありません。
その時に気を付けているのが、取材に応じてくれた方を「被災者」や「避難者」と安易にひとくくりにしないことです。
南相馬市にある私の実家は津波にのまれました。祖父母や両親は無事でしたが、同じ地区の住宅は全て流失して、54人が犠牲になりました。
津波で家財を失ったという意味では地区に住んでいた全員が「被災者」ですが、その中には大切な家族を失った人もいれば、家族全員が無事だった人も含まれています。
あの日あの時に失ったものは、一人ひとり違うはずです。
福島のメディアで働く一人として、それだけは決して忘れないように肝に銘じて、日々、原稿と向き合っています。