2022-07-07
新聞紙の上に無造作に広げられたサヤエンドウ。スジ取りが台所での最初のお手伝いでした。
ヘタを取り、硬い繊維をすっと引く。単純な作業を繰り返しながら、学校のことや友だちのことを母に話しました。指先から青い香りが立ち上りました。
夜、卵とじになって食卓に出てきた絹さやは、くたっと煮汁を含み、いつもより甘かったのを覚えています。
このスジ取りを機に少しずつ母の傍らで夕飯の準備をすることが増え、料理の楽しさを知りました。
夕方のワイド番組『シェア!』では毎週金曜日に親子で作れるレシピを紹介しています。週末に親子で台所に立つきっかけにしてもらいたいと発案しました。
リポーターは小学生の女の子。番組開始から9カ月が経ち、日増しに腕を上げていく様子を微笑ましく見守っています。
一緒に料理をすることで会話が弾み、食卓が一層楽しいものになるように。そして小さな料理コーナーが誰かの始まりのサヤエンドウになることを密かに願っています。