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アナウンサーブログ

2021-04-10
あの日の日記 2011年4月10日
先月から日を追って、
震災当時に書いていた日記をこちらに載せています。
拙い走り書きのようなものですが、
二度とこのようなことが起きないよう願いを込めて掲載します。
当時の状況をお伝えするのに、なるべく加筆・訂正などはせずに、そのまま載せています。
あくまで、あの日あの時、私が経験したこと、感じたことです。
ご了解いただけると幸いです。
(アナウンサー以外の個人名は、プライバシーを考慮してイニシャル表記にします)
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2011年4月10日
朝8時出社。今日は震災特番の日。
朝から、VTRをチェックする。
最後のエンディングのVTRが胸に迫ってきた。
番組を統括するYさんから
番組冒頭は大切だから絶対失敗するなと何度も言われていた。
当たり前のことだと認識しているが、やはり特別な緊張感がある。
無事放送を終え、会議室でささやかなお疲れ様会、
そして、これからもがんばろう会をする。
鶏の唐揚げとメンチカツ、サンドイッチなどがテーブルに並ぶ。
これまで年末などで特番を終えると
皆で達成感を分かち合ってきたが、
当然のことながら、満ち足りた気持ちにはとてもなれない。
紙コップに注がれたジンジャーエールを飲み干し、
ここからが、本当の始まりだと思う。
帰り道。
ふと、糸が切れそうになる。
浜通りから届く番組宛の悲痛なメール。
一か月着まわし続けた黒、紺、グレーの3着のジャケット。
寝不足の浮遊感と
出口の見えない現実。
話相手の友も、みな遠く離れている。
これではいけないと、ドラッグストアに行き、
香りが一番ピンときた入浴剤を買って帰る。
今夜はゆっくりお風呂に入って、リセットしよう。