2021-04-08
先月から日を追って、
震災当時に書いていた日記をこちらに載せています。
拙い走り書きのようなものですが、
二度とこのようなことが起きないよう願いを込めて掲載します。
当時の状況をお伝えするのに、なるべく加筆・訂正などはせずに、そのまま載せています。
あくまで、あの日あの時、私が経験したこと、感じたことです。
ご了解いただけると幸いです。
(アナウンサー以外の個人名は、プライバシーを考慮してイニシャル表記にします)
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2011年4月8日
夜勤務。今夜は余震がないことを祈る。
願いが届いたのか
特に大きな動きもなく、無事夜が明ける。
明け方、ブログをアップ。
朝8時、帰宅し、こたつで爆睡。
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あの日アップしたブログを追記します。
2011年4月9日のブログ
水道から水が出る。
あったかいお風呂に入れる。
並ばずにガソリンを入れられる。
スーパーに牛乳が並ぶ。
納豆が並ぶ。
ミネラルウォーターが並ぶ。
一昨日は好きなメーカーのヨーグルトを地震後初めて見つけた。
すべてが奇跡みたいに思えます。
当たり前だった日常は、
小さな奇跡が積み木のように一つ一つ積み重なって
出来ていたんだと今更ながら思います。
ここ郡山は、そんな奇跡のような
穏やかで、きらめきに満ちた日常が戻りつつあります。
もしかしたら堆積した不安を振り払うように
見切り発車した日常かもしれませんが、
それでも納豆やヨーグルトを入れた買い物かごの重みに
今、私は確かな「日常」を感じています。
この買い物かごの中に、やむを得ず出荷制限を受けている県内産の野菜を入れて、
早く、もっとずっしりとした日常の重みを腕に感じられれば・・
先週、相馬市松川浦の水産物直売所で働く知人と連絡が取れました。
家も流された。
父も津波にのまれて亡くなった。
届いたメールは悲痛な文面でしたが、彼女は無事でした。
そして最後には「直売所またやるから」と笑顔の絵文字が踊っていました。
早く。早く、すべての人に日常の安らぎを。
震災から一か月を前に今、思うことです。