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2021-01-14 23:30:20 配信

マイクロプラスチック回収の“秘策”海藻カーテン

『未来をここからプロジェクト』。新型コロナウイルスの感染拡大が続くなか、“未来”を見つめ、共に考える企画です。今回のテーマは『海に漂うプラスチックのごみ』です。いま、想像を超える量のごみが海の中を漂っているといいます。太陽光と風力、100%自然エネルギーで進む船『レース・フォー・ウォーター号』は、2017年から、世界横断の航海を続けています。その最大の目的は“海の現実”の調査です。これまでの活動で、世界には、プラスチックごみが集まりやすい5つの海流の渦があることがわかってきました。『レース・フォー・ウォーター号』の活動をリードするのが、環境と経済の専門家、グンター・パウリさんです。 グンター・パウリさん:「『プラスチックごみを海洋に捨てない』という世界の合意の裏で、残念ながらプラスチックごみは海に放出されている」 海洋プラスチックごみの問題は、日本にとっても他人事ではありません。2018年、神奈川県の由比ガ浜に打ち上げられたシロナガスクジラの胃の中からプラスチックごみが出てきました。去年、江ノ島で行われたごみ拾いのイベントでは、約1時間で、たくさんの量が集まりました。目立ったのは、原形をとどめないプラスチック。こうしたごみは、誰かが直接、捨てたものではありません。ほとんどが、私たちの生活圏から何らかの理由でこぼれ落ち、川から海へと、流れ出たものです。さらに、新型コロナウイルスの影響で、全国の家庭からのプラスチックごみが増加傾向で、“削減”の動きは停滞しています。パウリさんは、プラスチックごみの“その先”にある問題を危惧しています。 グンター・パウリさん:「“マイクロプラスチック”が、生態系を脅かしていることがわかってきた」 マイクロプラスチックとは、肉眼では見えづらいほど小さな粒で、これが、海の中を大量に漂っているといいます。その全貌には、まだ、誰もたどりつけていません。日本で、この研究の最前線にいるのが、九州大学の磯辺篤彦教授。『レース・フォー・ウォーター号』の日本での調査にも協力しています。 さまざな材質のマイクロプラスチックは、どのようにして、できるのでしょうか。海流や波に運ばれ、海岸に漂着したプラスチックは、紫外線や寒暖差などで、徐々に劣化。そして、また波にさらわれていきます。これを何度も繰り返しながら、5ミリ以下のマイクロプラスチックとなり、より深く、遠くへ、広がっていきます。磯辺教授は、これまでの調査と数値モデルから、マイクロプラスチックの動きを分析。約30年間で、その量も、範囲も大きく変わりました。 九州大学・磯辺篤彦教授:「日本の周辺で海水1トン当たり2~3粒、場所によっては100粒。世界の平均に比べると1桁多い」 マイクロプラスチック回収への取り組みは、まだ始まったばかりですが、パウリさんは、あるものを使った独特の方法に光を見出しています。その主役が“海藻”です。 グンター・パウリさん:「マイクロプラスチックは海藻に吸収されるのではなく、表面に”吸着”する。その特性を知って“海藻のカーテン”を作ろうと決めた」 “マイクロプラスチックを吸着しやすい”海藻の特質を生かし、海にカーテンのように張り巡らせて、マイクロプラスチックを取り除こうというものです。そして、CO2をほとんど排出しない高温による“熱分解”という独自の方法で処理するといいます。“熱分解”とは、海藻から分離したマイクロプラスチックやプラスチックごみを、無酸素のプラントで850度という高温で加熱。そこから発生する水素やメタンなどの“合成ガス”を特殊な技術を用いて、エネルギーに変換します。すでにベルギーなどで実現していますが、コストや収益などの課題は残されています。 グンター・パウリさん:「海をきれいにできるのは10年先か100年先か。後れを取ったなら、今から始めよう」

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