笠置 わか菜

(仮)ぐらしのワカナッティ

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とうとう炊飯器を捨ててしまった。

 

ここ数年、ご飯はもっぱら圧力鍋で炊いていて、
5年ほど前から炊飯器は棚の奥に追いやっていた。

 

それでも、
仮に、また使う日が来たら…
仮に、お米を炊かなくても蒸しパンを作るとしたら…
仮に、タイマーを使ってごはんを炊きたくなったら…

 

と、「仮」の未来を想像するとなかなか捨てられなかった。

でも、そんな仮のシチュエーションは一度も訪れず、
また、これまで一度もなかったということは未来永劫訪れない。

そんな心の境地にようやくたどり着き、
埃をかぶった小さな3合炊きは不燃物となった。
(カメラを買うのに3年かかったが、

炊飯器を捨てるのには5年かかったことになる、まったく)

 

こんな、「いつか使う」という言い訳の仮面をかぶった不要物が

私の回りにはあふれている。

お気に入りのショップの紙袋、然り。

お気に入りのお菓子の缶、然り。

もう着ない、履かないのに未練の残る服や靴、然り。

名付けて、(仮)ぐらしのワカナッティ。

 

 

仮の生活をしていたら、仮の人生になってしまう。

そう思い、重い腰をあげるも

なにせ使っていない炊飯器を捨てるまでに5年もかかったのだ。

なかなか捨てられない。

おまけに片付けようと物を広げて、

もっと部屋が乱雑になるという悪循環。

振り返ると、ここ最近、週末の空いた時間は片付けばかりしている。

 

 

そういえば、借りぐらしをしているアリエッティの部屋は
本当にかわいかった。

葉っぱのカーペット、切手の絵画、ボタンのオブジェ。
好きなものにだけ囲まれている暮らしだと一目で分かった。

 

いつかそんな部屋に暮らしてみたいものである。

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