福島放送

社員対談

朱美善

東京支社営業部(営業)
2012年4月入社 韓国出身

飯田麻菜美

報道制作部(アナウンサー)
2013年4月入社 東京都出身

女性社員2人に聞きました

「なぜ! 福島 を選んだ」

 

なぜ福島を選んだのか

朱: 私は韓国の出身で、高校卒業後にいわき市の大学へ留学しました。日本人の学生を自宅にホームステイさせた経験などから、自然と日本に興味を持ちました。
日本に留学するにあたって福島を選んだのは、韓国人が多い大都市を避けるため。その方が日本語を早く身に着けられると思ったからです。当時は福島について、映画「フラガール」(※1) のイメージしかありませんでしたよ。
高校まで過ごした韓国の水原市は90万人以上が暮らす大都市。福島空港に着いて、周りにただただ自然が広がるのを見たときは、一瞬だけ後悔しました(笑)

※1:映画「フラガール」2006年公開 舞台は昭和40年代福島県いわき市。炭鉱の町に現在のスパリゾートハワイアンズが誕生するまでを、実話をもとに描いている

飯田: 私はアナウンサーになるため全国の放送局を受けていて、正直言って、福島で就職すると決めていたわけではありませんでした。ただ、2012年に父と南相馬市でボランティアに参加したこともあり、今考えると福島と縁があったのかなと思います。

 

「フクシマ」で働くということ

朱さんは震災直後の2011年に、飯田さんはその翌年の2012年に就職活動をしています。福島で働くことに心配する声はありましたか?

飯田: 福島放送に就職しようと決めたとき、友達の中には原発事故の影響に不安を持つ人もいたのは事実です。ただ、家族はボランティアなどを通じて福島の現状に理解があり、「やりたいようにやったらいいよ」と後押ししてくれました。
被災地で働くことがアナウンサーとして成長する糧になると思い、福島で働くことを決めました。

朱: 震災が起きた時、私は大学4年生になる直前の春休みでした。ちょうど就職活動を始めたばかり。原発事故直後は韓国へ一時帰宅しましたが、またすぐ福島へ戻りました。
福島に戻らない留学生の友達もいる中で、私が戻ることを決めたのは、大学生活を優しく助けてくれた周りの人に恩返ししたい気持ちがあったから。親も理解してくれました。
日本で就職したいと思っていて、就職活動を始めてすぐ地元の福島放送に出会いました。

 

福島で気づいたこと 変わったこと

お2人とも当初は漠然とした不安があったと思います。ただ、震災が起きた5年前と比べ、福島の状況は大きく変わってきました。実際に働いてみて、感じたことや気付いたことはありますか?

朱: 放射能への不安はありましたが、放送局で働くことで、正しい知識を得られたと思います。海外との温度差を感じることもありますが、韓国の友達から「日本に海外旅行したい」と連絡があったときは、現状を正しく伝えています。

飯田: 福島に来て驚いたのは、日々の中で震災が垣間見えること。公園に線量計があるなど、東京にいた時は知らなかったことです。
たとえば、福島で収穫された米はすべて検査をして、放射性物質が基準値以下のものしか出荷していないのですが、県外の友人にそれを話すと驚かれます。私も温度差を感じることは多いですね。

確かに、県外に十分福島の現状が伝わっていないと感じることはあります。復興が進み、191万人(※2)の県民が生活している場所だということを、就活生のみなさんにも知ってもらいたいですね。

※2:2015国勢調査速報値

 

福島の魅力

福島は北海道、岩手に次ぐ広大な面積を持ち、地域ごとに豊かな文化があります。おおざっぱにいえば県の西部が「会津地方」、中部が「中通り」、東部が「浜通り」。
会津地方は歴史やウインタースポーツなど、観光が盛んです。中通りは県庁や福島放送の本社があり、経済や行政の中心といったところでしょうか。浜通りは豊かな海の幸がありますが、現在は復興の前線基地にもなっています。
お2人にとって福島の魅力はなんですか?

飯田: 四季がはっきりしていて、日本の自然の美しさを感じられるところです。海もあり、山もあり、豊かな自然に囲まれていて、県民のみなさんもとても温かいです。生活しやすいですね。
毎週土曜に生放送している「ドミソラ」で県内各地から中継するのですが、行く先々で「いつも見ているよ、元気をもらっているよ」と暖かい声をかけてもらえます。
県民の皆さんに受け入れて頂いているのだな、とありがたく感じます。

朱: 人の温かさは私も感じます。違う国から来た私を暖かく受け入れてくれた、その県民性が一番の魅力じゃないかな。

飯田: 東京に住んでいた時は、季節を感じられる余裕がありませんでした。満員電車に揺られて通学して、イライラして。それが福島に来て、ゆったりと暖かく過ごすことができて、自分に合っていると感じます。

朱: 私は大学時代を「浜通り」で、現在は「中通り」で暮らしていて、それぞれ文化が違います。それを楽しめるのも大きな魅力ですよね。

 

就活生へ

就活生のみなさんには、就職先にぜひ福島を選んでほしいですね。震災から復興していく福島を、放送局の一員として見届けられるのは、とても貴重な体験になると思います。
何か就職活動の際に、アドバイスなどはありますか。

飯田: 一度は自分の目で福島を見てもらいたいですね。復興の状況や、美しい自然を肌で感じることで得られることがあると思うし、面接にも活きると思います。福島に興味を持ってくれる人と一緒に働きたいです。
面接では事前に準備したことを吐き出すのではなく、自分の言葉で話すことで、相手に届くのではないかなと思います。

朱: みなさんと一緒に働けるのを楽しみにしています。