2025-11-12 19:22:05 配信
参院選「一票の格差」は合憲 「次回に進展なければ違憲判断」とも 東京高裁
今年7月に行われた参院選の「一票の格差」は憲法違反だとして弁護士グループが選挙の無効を求めた裁判で、東京高裁は「合憲」との判断を示しました。一票の格差が最大3.13倍だった7月の参院選は投票価値の平等に反して憲法違反だとして、弁護士グループが全国8カ所の高裁と6つの高裁支部に一斉に提訴しています。
このうち1都10県の選挙区を対象とした裁判で、東京高裁は先月30日に選挙無効の訴えを退け、「較差のさらなる是正に向けた選挙制度の抜本的見直しにつながる成案を得るには時間を要するのもやむを得ない」として、参院選は合憲だったとの判断を示しました。
その一方で、「選挙区間の最大較差が3倍程度であれば憲法上の問題を生ずることはないとの誤解を立法府に生じさせる」と懸念を示したうえで、「議論の進展がなく何らの成案も得ないまま、参議院議員の選挙が行われた場合には、憲法違反の判断がされることは免れないものと考える」としました。
原告の弁護士グループは判決について「次回は違憲とすると書いているが、『しっかりとした議論をすればいい』と読める部分もある」と指摘しました。
そして、2018年を最後に選挙制度の改正が行われていないこと挙げ、「裁判所が現状を許し、追認するようなことをやっているといつまで経っても進歩しない」と述べました。
「一票の格差」を巡る一連の訴訟では、これまでに「違憲状態」の判決が8件、「合憲」の判決が4件出ています。
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