自衛隊機が中国軍の戦闘機からレーダーを照射されました。これに対し、7日午後、高市総理は「冷静かつ毅然と対応する」と話しました。

■高市総理「冷静かつ毅然と対応」

高市総理大臣
「今回のレーダー照射というのは、航空機の安全な飛行に必要な範囲を超える危険な行為でございます。このような事案が発生したことは極めて残念です。中国側には強く抗議し、再発防止を厳重に申し入れすることを行いました。冷静かつ毅然と対応してまいります」

　6日、防衛省は、中国軍の戦闘機が自衛隊機に対してレーダーを照射したとして、中国側に強く抗議したと発表しました。

■中国軍機による“レーダー照射”

　防衛省によると、発生は6日の午後4時半ごろ。沖縄本島南東の公海上で中国軍の空母「遼寧」から飛び立った「J-15」戦闘機が、自衛隊の「F-15」戦闘機に対し、およそ3分間、断続的にレーダーを照射したといいます。

　さらに午後6時半すぎ、別の自衛隊機にもおよそ30分間、レーダー照射を行ったといいます。

　自衛隊機や隊員に被害はありませんでした。

　戦闘機のレーダーは一般的に、攻撃目標を定める時や、周辺の捜索などに使われることがあるといいます。

政治部　平元真太郎デスク
「防衛省関係者は、軍事的威圧の可能性は否定できないが『トップの方針を忖度（そんたく）して、現場が暴走しているのではないか』とみる。『基本的に行動はエスカレートしていく一方だろう』と話していて、緊張感を強めている」

　日本の抗議に対し、中国側も声明を出しました。

中国海軍報道官の声明
「通常通り飛行訓練をした際に、自衛隊機が複数回接近し妨害行為を行い、（日本側が）飛行の安全を著しく脅かした」

中国総局　冨坂範明総局長
「どの程度、上からかは分かりませんが、やはりかなり危険な行為ですから、上からの指示があって日本に圧力を強める意図があったとみられる。習近平政権としては高市総理の発言の撤回に向け、様々な部署が圧力をかけ続けている状態。中国軍としても圧力を強めていき、自国に有利な環境をつくり上げていく狙いはあると思われる」

　今後、日本政府はどう対応するのでしょうか。

平元デスク
「政府としてはきょうのオーストラリアとの国防相会談でもふれたように、同盟国や価値観を共有できる国と連携を確認することが大事としている。政府関係者は『長期戦を覚悟している』と話していて、あらゆるレベルで意思疎通を図って丁寧に説明していくしかないという状況」