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2019年08月12日 10時25分 配信

鎮魂の風鈴で回廊 13、14日いわきの江

いわき市江名地区の住民ら有志のグループ「江名シングルアッププロジェクト」が東日本大震災犠牲者らへの鎮魂の思いを託した風鈴を、地域の新たな夏の風物詩として定着させる取り組みを始めた。

13、14の両日には地元の江名港で開くイベントで風鈴約900個を使った回廊を初披露する。

津波で大きな被害を受けた港町のにぎわい、活気を取り戻す。

風鈴は地区住民からの寄付や市の補助金などを使って購入したり、身近な材料で手作りしたりして確保した。

地域住民ら約100人が携わった。

長さ約3・6メートル、幅約1・6メートル、高さ約2メートルの風鈴回廊を10台作って展示する。

来場者は色とりどりの風鈴に囲まれたトンネルの中を歩いて観賞する。

回廊は、夏の風物詩として知られる川越氷川神社(川越市)の「縁むすび風鈴」などを参考にした。

津波犠牲者の鎮魂の思いや新盆供養、地元小学生らの被災地再興への願いなどを書いた短冊を風鈴一つ一つに付ける。

江名地区は、太平洋に面し、北洋サケマス漁業が盛んな港町だった。

1977(昭和52)年以降、二百海里問題などを背景に漁船の数は年々減少していった。

さらに震災の津波被害を受け、地区では6人が犠牲になった。

港周辺の建物の多くも津波の影響で損壊し、世帯数も大幅に減ってきている。

港町をもう一度盛り上げていこうと、地元の行政区役員、会社員、主婦ら16人が立ち上がり、プロジェクトを今年2月に発足させた。

かつて江名港周辺にあった多くの住宅の軒先には風鈴がつるされ、浜風とともに心地よい音色を響かせていた。

副代表兼事務局長の馬目公章さん(89)さんは「震災の影響で地区を離れてしまっても、風鈴の音で江名の港や海を思い出してほしい」と願う。

毎年夏に回廊を展示し、地域住民に楽しんでもらうだけでなく、観光名物にしていきたいと考えている。

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