2021-01-14 23:30:21 配信
入院できない…今できる対策は?専門家に聞く
東京都では14日、新型コロナウイルスの新規感染者が1502人で、重症者は、135人でした。入院先や療養先が調整中の人は6575人と、過去最多となりました。現在、重症化しやすい人までも入院できていない状況です。政府の諮問委員会メンバーである三重病院の谷口清州医師に聞きます。 (Q.通常医療とコロナ医療の両立は難しいのでしょうか) どうしても病棟がコロナ患者に圧迫されると、スタッフも取られますし、ほかの疾患に手が回らなくなるリスクがあります。以前は、法律に基づいて、すべての人が入院となっていましたが、最近は、その基準が緩和され、軽症の人は自宅や施設で療養することが増えてきています。地方では、軽症の人も入院しているところもありますが、今後、医学的に入院が必要な人に対して入院治療をする。つまり、重症・中等症の人に対して、入院治療をやっていく。そうすると医療に余裕が出てきます。 (Q.自宅療養中、急変して亡くなるケースもありますが、どうしたらいいのでしょうか) この疾患は悪化するリスクはあります。アメリカでは、軽症者は、自分で“酸素飽和度”の測定機器を買って来たり、体温、血圧などをモニターしながら、少しでも異変があれば、病院にかかる。そういった形で経過を見ています。今後、日本でも自宅療養が増えてきたら、そういったことをやっていく必要があります。今、医療に余裕があっても、今後のことを考えれば、少しずつ移行していって、「軽症者は自宅でいい」と考えていったほうがいいと思います。急に「あしたから」とは、なかなかいかないと思います。 (Q.医療体制を整えておく時間は少なくとも夏以降、十分あったように思いますが、間に合っていない最大の理由は何だと思いますか) 医療は“有限”だから、今のスタッフは、長い年月をかけてトレーニングをして、今の状況にあります。急に作るのは難しい。それが半年であっても難しいです。最大の要因は、『ゼロに近づけていく』という具体的なゴールが設定されていなかったから、感染者が増えて、今の状況になっている。前回の宣言解除後、無症状の感染者を見つけて感染源を減らす。これを続けて、ウイルスゼロを目指すしかないが、そこが難しかったと思います。