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復興の色~笠置わか菜(KFBアナウンサー)

2021.05.14

震災から10年を迎える3月の朝、再びヘリコプターのタラップに足をかけました。

どんな言葉で伝えればよいか、月日の重みを感じていました。

10年前、沿岸部を飛んだのは地震の翌朝でした。惨状でした。

惨状を柔らかい春の日差しが照らしていました。あまりの違和感に小さな機体の中で、ただ混乱するばかりでした。

あの光景は今もうまく言葉にできません。

時を経て、同じ場所をたどりました。あの日濁っていた海は青さを取り戻し、新しい街の赤い屋根が見えました。

海沿いには萌黄色の防災緑地が続き、再建された駅を列車が走り抜けて行きました。

復興には色がある。そう思いました。たゆまぬ人の営みをあの日と同じ春の陽が照らしていました。

数十年後、100年後、きっとまた小さな機体は誰かを乗せて海沿いを飛ぶでしょう。

その誰かの瞳にも人の営みが明るく映ることを願いたい。そして朽ちた建屋のあの事故の現場にもいつか復興の色が差すように。

私たちはきょうも放送のバトンを繋ぎます。

報道制作局で働く社員によるリレーコラム。
番組や取材を通して感じた思いを伝えます。
毎週木曜日・朝日新聞福島県版に掲載中!

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