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現場や思いに寄り添う語り~笠置わか菜(KFBアナウンサー)

2020.10.22

アナウンサーの仕事の一つにナレーションがあります。

小さなブースにこもると、静寂が広がり、音があふれる職場では聖域のような空間です。

以前、第一線で活躍する声優のナレーション講座を受けました。

童謡「椰子の実」の歌詞を朗読する講座でした。

「名も知らぬ遠き島より流れ寄る椰子の実ひとつ」。

文語体に戸惑う私に彼は、今あなたはどこにいますか、歌詞にある海辺に裸足で立ち砂浜を足裏で感じなさいと諭しました。

声の出し方や間の取り方を教えてもらうものと思っていた私は、そこまで想像しなくてはいけないのかと驚きましたが、以来、語りの奥深さに惹かれていきました。

先日、大熊町の人たちを追ったドキュメンタリーのナレーションを担当。

長年に渡る取材と緻密な編集。何より復興への思いがにじんだ映像に声を乗せるのは、時に途方もない重みを感じます。

そんな時は足裏で熱く乾いた砂の感触を思い出します。

記録された生き様の傍らで共に呼吸し声を添える。何か伝わるものがあるはずだと信じています。

報道制作局で働く社員によるリレーコラム。
番組や取材を通して感じた思いを伝えます。
毎週木曜日・朝日新聞福島県版に掲載中!

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