思い出の味
ずっと以前にこの日記で書いたことがある
会社からほど近いところにあるうどん屋さんのお話。
安くて美味しい鍋焼きうどんが人気のうどん屋さん。
年配のご夫婦で営まれているため、夜の営業はキツイから、
と数年前から昼間だけの営業になっていました。
それでもそのお店のうどんが食べれるならと通っていました。
ある日のことです。
前に職場の同僚だった女の子が赤ちゃんを連れて遊びに来てくれました。
その日も今日と同じように寒い日だったのでうどんを食べに行きました。
気温が低いせいかお店はなかなかの混雑ぶり。
お店のおばさんは「寒いけど・・」といいながら
店の奥にある座敷を開けてくれました。
そして「赤ちゃんにはちょっと寒いかな~」
そういうと二階の住居に走って行って赤ちゃんのための毛布を
持ってきてくれました。
私たちは温かい鍋焼きうどんと
お店のおばさんの温かい心遣いで
すっかり身も心も温まりました。
そして、帰ろうとしたそのとき
予想もしない言葉を掛けられたんです。
「みんなにはずっと来てもらったんだけど・・・今月で店をやめることにしたの」
「会社のほかの人にも言っておいてもらえるかなぁ・・・」
ええっ!?ホントに?
「うん。もう身体がくたびれちゃってねぇ・・」
おばさんはそういうとさびしそうに笑いました。
美味しいうどん、
はるか以前からいつも同じように「熱いから気をつけて食べてね」と
出してくれました。
そのうどんももう食べられなくなります。
味の記憶は自分が過ごした風景、時間の記憶でもあります。
あと何回食べることができるかわかりませんがうどんの味とともに
優しいおばさんの声も忘れることは無いでしょう。
事務局 M
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