笠置わか菜の徒然letter

3月11日に

2018.03.11

パソコンのデスクトップの片隅に、7年前から消せないファイルがある。

ファイル名は「東日本大震災」。

冒頭を少し転記する。

「3月11日午後2時46分 地震発生

Jチャンネルの打ち合わせ中に、緊急地震速報。

長い揺れ。テーブルの下に身を隠す。

取材テープの棚が倒れ、床じゅうに散らばる。

窓の近くにいるKちゃんに、離れてと叫ぶ。

アルバイトのCちゃんが泣いている。

数分して電気が消える。天井から埃が降ってくる。

揺れ収まり、デスクのHくんが「さぁ、やるよ」と

一番に立ち上がった。」

(個人名はイニシャルで表記)

途方もなく大きな地震。津波。原発事故。

次々と入ってくる情報に飲み込まれそうになる中、

1日の終わりに、その日、身の回りであったことを記録していた。

パソコンに向かい、淡々とキーボードを打つことで、

冷静さを保っていたんだと思う。

不安や葛藤など当時の心情から、同僚の何気ない言葉、

避難所で不足していたものまで、日にちごとに記していて、

記録は4月半ばまで続く。

自分で書いたのにも関らず、読み返す度にいつも息苦しさが付き纏う。

開くのには、それなりの心構えが必要なファイルだが、

毎年、この時期には意を決して、

あの日の自分と向き合うようにしている。

ささやかな日常を願ったあの時の気持ちは褪せていないか。

大切なものは何か、ぶれていないか。

そして、あの日から始まった震災の報道。

もし、再び同じような地震が来た時、

一人でも多くの命を救うためにどんな放送が必要か。

7年前の自分を手繰り寄せ、

弔いと誓いの3月11日を今年も過ごしている。

笠置わか菜の徒然letter|アナウンサーブログ

    月別アーカイブ月別アーカイブ

      PAGE TOP

      ページの先頭へ