安藤桂子のアン・ドゥ・トロワ

バスと子ども

2017.04.10

春は出会いと別れの季節とはよく言ったもので。

今シーズンも、各地で行われた卒業式や離任式、入学式の取材に行ってきました。

特に印象深かったことがありました。

飯舘村の小学校に取材に行ったときのことです。

今は3つの小学校が川俣町の仮設校舎で授業を行っています。

子どもたちはスクールバスで通っているのですが、

人数に対して、バスがとても大きいなと感じたのです。

なぜだろうと先生に聞いてみました。

すると、

以前はそのバスにいっぱい子どもたちが乗っていたとのこと。

それが避難生活が長引くにつれ次第に減っていき、

今はバスの中にぽつりぽつりと子どもが乗っている状態になってしまったそうです。

「寂しいですね」

そんな風に私が言うと、

「そんなことないですよ」との答えが返ってきました。

「飯舘村の学校に通っていなくても、

飯舘村の子どもなんだという誇りを持って暮らしてもらえればそれでいいんです」

と、その先生は話してくれました。

避難区域の学校では、

学年が変わるタイミングで何十人と転校していくことが珍しくありません。

きっと、これまでそういった別れを幾度も経験してきて

だからこそ出た言葉なのだろうと感じ、

ただ単純に「寂しいですね」と言ってしまった自分が恥ずかしく感じました。

離れ離れになってもつながる心があるのだと教えていただいた春でした。

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